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ブックマーク / deeeet.com (39)

  • Writing An Interpreter In Goを読んだ

    Thorsten Ballによる“Writing An Interpreter In Go”を読んだ. 技術界隈のブログを見ているとたまにSteve Yeggeの「If you don’t know how compilers work, then you don’t know how computers work」という言葉に出会う.その度に学生のときにコンパイラの授業を受けなかったこと後悔し,社会人になって挑戦しようとして挫折したことを思い出して悲しい気持ちになる.@rui314さんのCコンパイラをスクラッチから開発してみたを読んではかっこいいなと思いつつ僕には無理だなあと心が折れていた. どの言語を書いていてもコンパイラ(もしくはInterpreter)は切っても離せないものであり内部の動きがどうなっているかを知っておきたいという欲求はプログラマーなら誰しもあると思う(少なくとも僕に

  • GolangでAPI Clientを実装する

    特定のAPIを利用するコマンドラインツールやサービスを書く場合はClientパッケージ(SDKと呼ばれることも多いが記事ではClientと呼ぶ)を使うことが多いと思う.広く使われているサービスのAPIであれば大抵はオフィシャルにClientパッケージが提供されている.例えば以下のようなものが挙げられる. https://github.com/aws/aws-sdk-go https://github.com/Azure/azure-sdk-for-go https://github.com/PagerDuty/go-pagerduty https://github.com/hashicorp/atlas-go 特別使いにくい場合を除けば再実装は避けオフィシャルに提供されているものを使ってしまえばよいと思う(まともなものなら互換性などをちゃんと考慮してくれるはずなので).一方で小さなサービ

  • Go1.7のcontextパッケージ

    Go1.7ではgolang.org/x/net/contextがcontextパッケージとして標準パッケージに仲間入りする.そしていくつかの標準パッケージではcontextパッケージを使ったメソッド/関数も新たに登場する.contextパッケージは今後さらに重要な,Gopherは普通に扱うべき,パッケージになると考えられる.記事ではそもそもcontextパッケージとは何か?なぜ登場したのか?なぜ重要なのか?どのように使うべきか?についてまとめる. contextパッケージが初めて紹介されたのは2014年のThe Go Blogの記事 “Go Concurrency Patterns: Context”である.この記事ではなぜGoogleがcontextパッケージを開発したのか,どのように使うのか具体的な検索タスクを例に解説されている.まだ読んだことがない人はそちらを先に読むと良い. co

  • GolangのGCを追う

    Go1.5とGo1.6でGoのGCのレイテンシが大きく改善された.この変更について「ちゃんと」理解するため,アルゴリズムレベルでGoのGCについて追ってみた. まずGoのGCの現状をパフォーマンス(レイテンシ)の観点からまとめる.次に具体的なアルゴリズムについて,そして最後に実際の現場でのチューニングはどうすれば良いのかについて解説する. GoのGCの今 最初にGoのGCの最近の流れ(2016年5月まで)をまとめる. Go1.4までは単純なStop The World(STW)GCが実装されていたがGo1.5からは新たなGCアルゴリズムが導入された.導入の際に設定された数値目標は大きなヒープサイズにおいてもレイテンシを10ms以下に抑えることであった.Go1.5で新たなアルゴリムが実装されGo1.6で最適化が行われた. 以下は公開されているベンチマーク.まずはGo1.5を見る. Gophe

  • Golangのエラー処理とpkg/errors

    GoConでは毎回エラー処理について面白い知見が得られる.Go Conference 2014 autumn においては(実際のトークではないが)居酒屋にて@JxckさんがRob Pike氏から以下のようなテクニックを紹介してもらっていた. Errors are values - The Go Blog Golang Error Handling lesson by Rob Pike これはWrite(やRead)のエラー処理が複数続く場合にerrWriter を定義して複数のエラー処理を一箇所にまとめてコードをすっきりとさせるテクニックであった. そして今回の Go Conference 2016 spring のkeynoteにおいてもDave Cheney氏から(僕にとっては)新たなエラー処理テクニックが紹介された. Gocon Spring 2016 実際に使ってみて/コードを読ん

  • Go言語でファジング

    この記事はGo Advent Calendar 2015の21日目の記事です. 今年もGoコミュニティーから多くのツールが登場した.その中でも異彩を放っていたのがGoogleのDynamic testing toolsチームの@dvyukov氏によるgo-fuzzである. go-fuzzはGo関数のファジングを行うツールである.このツールはとても強力で標準パッケージで100以上,golang.org/x/パッケージで40以上,その他を含めると300以上のバグを発見するという実績を残している(cf. Trophies). 記事ではこのgo-fuzzの紹介を行う. ファジングとは? Fuzz testing - Wikipedia, the free encyclopedia ソフトウェアの脆弱性検出におけるファジングの活用 「ファジング」とはソフトウェアのテスト手法である.テスト対象となる

  • Apache Kafkaに入門した

    Apache kafka 最近仕事でApache Kafkaの導入を進めている.Kafkaとは何か? どこで使われているのか? どのような理由で作られたのか? どのように動作するのか(特にメッセージの読み出しについて)? を簡単にまとめておく(メッセージングはまだまだ勉強中なのでおかしなところがあればツッコミをいただければ幸いです). バージョンは 0.8.2 を対象に書いている. Apache Kafkaとは? 2011年にLinkedInから公開されたオープンソースの分散メッセージングシステムである.Kafkaはウェブサービスなどから発せられる大容量のデータ(e.g., ログやイベント)を高スループット/低レイテンシに収集/配信することを目的に開発されている.公式のトップページに掲載されているセールスポイントは以下の4つ. Fast とにかく大量のメッセージを扱うことができる Scal

  • Go言語のDependency/Vendoringの問題と今後.gbあるいはGo1.5

    Go言語のDependency/Vendoringは長く批判の的になってきた(cf. “0x74696d | go get considered harmful”, HN).Go1.5からは実験的にVendoringの機能が入り,サードパーティからはDave Chaney氏を中心としてgbというプロジェクベースのビルドツールが登場している.なぜこれらのリリースやツールが登場したのか?それらはどのように問題を解決しようとしているのか?をつらつらと書いてみる. Dependencyの問題 最初にGo言語におけるDependecy(依存解決)の問題についてまとめる.Go言語のDependencyで問題なのはビルドの再現性が保証できないこと.この原因はimport文にある. Go言語で外部パッケージを利用したいときはimport文を使ってソースコード内にそれを記述する.このimport文は2通りの

  • Go言語でプラグイン機構をつくる

    dullgiulio/pingo Go言語でのプラグイン機構の提供方法は実装者の好みによると思う(cf. fluentd の go 実装におけるプラグイン構想).Go言語はクロスコンパイルも含めビルドは楽なのでプラグインを含めて再ビルドでも良いと思う.が,使う人がみなGo言語の環境を準備しているとも限らないし,使い始めてもらう障壁はなるべく下げたい.プラグインのバイナリだけを持ってこればすぐに使えるという機構は魅力的だと思う. Go言語によるプラグイン機構はHashicorpの一連のプロダクトやCloudFoundryのCLIなどが既に提供していてかっこいい.net/rpcを使っているのは見ていてこれを自分で1から実装するのは面倒だなと思っていた. dullgiulio/pingoを使うと実装の面倒な部分を受け持ってくれて気軽にプラグイン機構を作れる. 使い方 サンプルに従ってプラグインを

  • デプロイ自動化とServerspec

    Serverspecの献ありがとうございました.とても面白かったです.詳しい書評はすでに素晴らしい記事がいくつかあるので,僕は現チームでどのようにServerspecを導入したか,どのように使っているかについて書きたいと思います. Serverspec導入の背景 今のチームではサーバーのセッアップおよびデプロイにChefを使っている.にも書かれているようにこのような構成管理ツールを使っている場合はそのツールを信頼するべきであり,Serverspecのようなテストツールは必要ない.僕らのチームもそのような理由でServerspecの導入には至っていなかった. しかしアプリケーションが複雑になりChefのレシピも混沌とするようになるとそれは成立しなくなる.見通しの悪いレシピはChefへの信頼度を落とす.信頼度の低下はデプロイ不信に繋がり人手(筋肉)によるテストが始まる. サーバーの数がそ

  • Dockerの諸問題とRocket登場の経緯

    2014年の後半あたりからDockerDocker Inc.への批判を多く見かけるようになった(もちろんもともと懸念や嫌悪を表明するひとはいた).それを象徴する出来事としてCoreOSチームによる新しいコンテナのRuntimeであるRocketのリリースと,オープンなアプリケーションコンテナの仕様の策定を目指したApp Containerプロジェクトの開始があった. CoreOS is building a container runtime, Rocket 批判は,セキュリティであったり,ドキュメントされていない謎の仕様やバグだったり,コミュニティの運営だったり,と多方面にわたる.これらは具体的にどういうことなのか?なぜRocketが必要なのか?は具体的に整理されていないと思う.これらは,今後コンテナ技術を使っていく上で,オーケストレーションとかと同じくらい重要な部分だと思うので,ここ

  • etcd/consulに認証情報を安全に保存する

    etcd/consulに認証情報を安全に保存する 分散Key-Valueストアとしてetcdやconsulの利用が増えている.ここにアプリケーションの設定値などを保存し,各ホストからそれらを購読して利用する. また,X-as-a-Serviceといった外部サービスの利用も多くなってきた.その場合API Tokenやパスワードといった認証情報が必要になる.PaaSやTwelve-factor的なアーキテクチャを採用する場合は,それらの値を環境変数に保存して利用することが多い(危険であるという意見はある.cf. http://techlife.cookpad.com/entry/envchain).etcdやconsulといった分散Key-Valueストアの利用を前提としたアーキテクチャでは,そこに外部に漏らしたくない設定値も一緒に保存してしまうのがシンプルになる. しかし,そういった設定値を

  • CoreOSクラスタにDockerコンテナをデプロイする | SOTA

    CoreOSクラスタにDockerコンテナをデプロイする Docker Meetup Tokyo #4 CoreOSの概要とDockerを実際に運用しようと思ったときにDockerが抱える問題をCoreOSがどのようにそれを解決するかについて発表した.デモではTerraformを使ってDigitalOcean上にCoreOSクラスタを立てて,デモアプリケーションコンテナを動的にスケールさせる様子を実演した(ソースは全てtcnksm/docker-meetup-4-demoにある). 雑感 簡単にMeetupの感想を書いておく. 今回はDockerそのものの発表よりも,オーケストレーションやサービスディスカバリーなどの周辺ツールやサービスの発表が多かった.ツール(もしくはDocker専用のOS)では,CoreOS,Kubernetes,RedHad Atomic host,サービスではAma

  • Serf 虎の巻

    Serf 虎の巻 サービスディスカバリーとオーケストレーション用のツールであるSerfについてまとめた.基的には公式のHPのGetting Startの抄訳.Vagrantで試験環境を立てて実際に触りつつSerfを使い始められるようにした. 目次 Serfとは Gossip protocolとは 試験環境の準備 クラスタの形成 クラスタからの離脱 イベントハンドラ カスタムイベント カスタムクエリ コマンド一覧 参考 Serfとは Serfはサービスディスカバリーやオーケストレーション,障害検出のためのツール.Vagrantの開発者であるMitchell Hashimoto氏により開発が進められている.SerfはImmutable Infrastructureの文脈で登場してきたツールであり,Immutableなシステムアーキテクチャー,デプロイを実現する上で必須のツールである. Imm

  • SerfでDockerコンテナのクラスタを形成する

    SerfでDockerコンテナのクラスタを形成する “Serf虎の巻”書いたし,Serf使っていろいろやってみるかということで,Dockerコンテナのクラスタ形成をやってみた.SerfとDockerの組み合わせについては,すでに[shiba_yu36]()さんが試みている(“serfとDockerでクラスタを組んでみる”)ので,もう少し踏み込んでクラスタへのjoinの仕方を模索してみた. tcnksm/sample-docker-serf やってみたのは,Dockerコンテナのみでのクラスタの形成. 準備 Vagrant上で実行する.Vagrantfileは以下. $script1 = <<SCRIPT echo Installing depedencies... sudo apt-get install -y unzip echo Fetching Serf... cd /tmp/ wg

  • TerraformでCoreOSクラスタを構築する

    TerraformでCoreOSクラスタを構築する CoreOSはDigitalOceanやAmazon EC2,OpenStackなどあらゆるクラウドサービスやプラットフォームで動かすことができる.1つのCoreOSクラスタを複数のクラウドサービスや自社のベアメタルサーバーにまたがって構築することもできるし,それが奨励されている.また,クラスタのマシンの数はサービスの成長や負荷状況によって増減させる必要もある. このようなCoreOSクラスタの構築を簡単に,かつInfrastructure as Code的に再現可能な形で行いたい場合,HashicorpのTerraformを使うのがよさそう(個人的に試しているだけなので数百規模のマシンではなく,数十規模の話.もし膨大なマシン数になったときにどうするのがよいのか知見があれば知りたい). 以下では,Terraformを使ってDigitalO

  • Dockerコンテナ接続パターン (2014年冬)

    記事はDocker Advent Calendar 2014の1日目の記事です. Dockerによるコンテナ化はリソース隔離として素晴らしい技術である.しかし,通常は1つのコンテナに全ての機能を詰め込むようなことはしない.マイクロサービス的にコンテナごとに役割を分け,それらを接続し,協調させ,全体として1つのサービスを作り上げるのが通常の使い方になっている. コンテナ同士の接続と言っても,シングルホスト内ではどうするのか,マルチホストになったときにどうするのかなど様々なパターンが考えられる.Dockerが注目された2014年だけでも,とても多くの手法や考え方が登場している. 僕の観測範囲で全てを追いきれているかは分からないが,現状見られるDockerコンテナの接続パターンを実例と共にまとめておく. なお今回利用するコードは全て以下のレポジトリをcloneして自分で試せるようになっている.

  • DockerによるマルチホストのPaaS flynnの概要とそのアーキテクチャー

    “flynnの時代” “Docker meetup tokyo #3”で発表してきた.内容は,Dockerの応用の1つであるOSSでPaaSをつくるflynnというプロジェクトの概要とそのアーキテクチャーの紹介.このflynnというプロジェクトの中には,Dockerの面白い使い方がたくさん詰まってるため,今後Dockerを使う人が,その応用の際の参考になればという思いで紹介させてもらった. 今回の発表のために資料を集めまくり,理解できない部分は出来る限りコードも読んだ.発表スライドの補完にもなると思うので,そのメモ書き(一応体裁は整えた)を公開しておく. デモ 以下は,簡単なデモ. やっていることは以下. nodeのアプリケーションをデプロイ ルーティングの追加 スケール コマンドを含めた詳しい解説は以下で解説する. 前提知識 (Herokuの動作) まず,前提知識としてPaaS (ここで

  • Fleetの使い方,Unitファイルの書き方

    Fleetの使い方,Unitファイルの書き方 CoreOSに入門した | SOTA CoreOSではすべてのアプリケーションをDockerで動かす.このとき,コンテナによるサービスをCoreOSクラスタのどのマシンで起動するかをいちいち人手で決めるわけにはいけない.クラスタ内のリソースの状態や動いているサービスに基づき,適切なマシンでコンテナを動かすスケジューリングの仕組みが必要になる. このスケジューリングとコンテナの管理にCoreOSはfleetを用いる. fleetを使うとCoreOSクラスタが1つのinit systemで動いているかのようにそれを扱うことができるようになる.開発者はどのマシンでどのDockerコンテナが動いているかを気にする必要がなくなる. 例えば,5つのコンテナを動かす必要があれば,fleetはクラスタのどこかでその5つのコンテナが動いてることを保証する.もしコ

  • CoreOSに入門した

    CoreOS is Linux for Massive Server Deployments · CoreOS CoreOS + Docker Meetup Tokyo #1に参加してCoreOSにめっちゃ感動したので,CoreOSに入門していろいろ触ってみた. まず,CoreOSの概要とそれを支える技術について説明する.次に実際にDigitalOcenan上にVagrantを使って実際にCoreOSクラスタを立てて,CoreOSで遊ぶ方法について書く. CoreOSとは何か CoreOSは,GoogleやFacebook,Twitterといった企業が実現している柔軟かつスケーラブル,耐障害性の高いインフラの構築を目的としたLinuxディストリビューションである.軽量かつ使い捨てを前提にしており,クラウドなアーキテクチャのベストプラクティスを取り入れている.CoreOSの特徴は大きく4つ挙