ディート(DEET)とは、昆虫などの忌避剤(虫よけ剤)として用いられる化合物である。IUPAC名は N,N-ジエチル-3-メチルベンズアミドだが、N,N-ジエチル-m-トルアミドとも呼ばれる。分子量 191.27。凝固点 −45 ℃、沸点 285 ℃で、常温では無色液体である。水には溶けにくくアルコールなどの有機溶媒によく溶ける。CAS登録番号 [134-62-3]。消防法に定める第4類危険物 第3石油類に該当する[1]。 用途[編集] 使用目的は、皮膚に直接または衣服に塗布し、昆虫やダニによる吸血を防ぐことである。特にダニ(ツツガムシ病やライム病を媒介する)や蚊(日本脳炎、デング熱、ジカ熱、ウエストナイル熱、マラリアなどを媒介する)に対する防御手段として、高い有効性を示す。比較的安価で歴史もあることから、世界中で使用されている。 ディートは、第二次世界大戦中のジャングル戦の経験に基づき、