いまだ感染拡大の勢いがとどまらない新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。厚生労働省(以降、厚労省)が2020年6月19日に公開した接触確認(コンタクトトレーシング)アプリ「新型コロナ接触確認アプリ(COCOA)」は、国民の行動を変え、感染拡大防止に寄与するのだろうか――。 本稿は、公開直前の2020年6月10日に収録し、6月24日に配信したオンラインセミナー「@IT Security Live Week」の「プライバシーフリーク・カフェ リモート大作戦!」のイベントレポート完全版である。 胴元は厚労省 高木浩光(以降、高木) コンタクトトレーシングアプリのことを、民間がやっていることなので国は関係ないとか言い張ることはできたのかどうか。確かに、利用者が主体的に通知し合う仕組みとして、誰かが配って、誰も管理せずに動くシステムの場合には、国は関係ないとする形も可能ではあります。 しかし