本来のラベル(中央)そっくりに作られた性能計算書の表紙(右側は帰還時、左は打ち上げ時)。科学者の遊び心があふれている「はやぶさ」帰還直後の6月14日、「楽しく飲ませてもらいます」のメッセージと共に「虎之児」を持つ川口教授のうれしそうな表情の写真が届けられた=井手酒造提供 60億キロの宇宙の旅から6月に帰還し、カプセルなどの展示が今月30日に始まった小惑星探査機「はやぶさ」。その「はやぶさ」の開発に携わった宇宙航空研究開発機構(JAXA)のプロジェクトチームに、帰還翌日の6月14日に佐賀県嬉野市嬉野町にある創業142年の老舗(しにせ)・井手酒造が、自社の酒「虎之児(とらのこ)」を祝い酒として贈っていた。そこには帰還を首を長くして待ち続けた7年越しの縁があった。 2003年5月、「はやぶさ」の打ち上げ準備が進んでいる中で、井手酒造に1枚のファクスがJAXAから流れてきた。「貴酒造が造ってい