記事の概要は日本語でも報じられている。中国の国営軍事企業3社が本年7月、対リビア武器禁輸を定めた国連安保理決議に違反し、当時のカダフィ政権関係者と少なくとも2億ドルもの秘密武器取引を行っていたというものだ。 9月5日、外交部の姜瑜報道官は定例記者会見で、「中国企業が直接・間接にリビアに武器などを売却したことはない」と全面否定した。 さて、一体どちらが正しいのか。迷ったらオリジナルを読むのが、筆者のやり方だ。幸いカナダ紙が入手した文書はオリジナルがアラビア語なので、早速検証してみた。これでも30年前、筆者はアラビア語を学習したことがあるのだ。 リビア政府公式レターヘッドの付いた2011年7月31日付の同文書は、リビア軍「技術局」ロケット・砲兵部がリビア政府の「生産供給庁」長官宛に提出した出張報告書のようだ。 全体で6ページあり、リビア軍の代表団が7月に訪中した際の中国企業とのやりとりが詳しく