中国の習近平国家主席が7月下旬に訪中した福田康夫元首相との会談で、安倍晋三首相の対中姿勢に不満をみせながらも、日中関係改善に前向きな姿勢を示していたことが6日、分かった。安倍首相は11月に北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議での日中首脳会談の実現に意欲を示しており、今年秋から日中間で調整が本格化する可能性が出てきた。 日中関係筋によると、習氏は福田氏に対し、現在の日中関係を打開しなければならないとの考えを伝えた。同時に「安倍首相は中国とどういう付き合いをしたいのかが見えてこない」と発言。安倍首相が「法の支配」という言葉を使って中国の海洋進出を牽(けん)制(せい)することに触れたほか、「集団的自衛権を行使できるようにして何をしたいのか」「『積極的平和主義』とは何か」とも述べた。 一方の福田氏は、対話に応じるよう呼びかける安倍首相のメッセージを伝えた。その上で「欧州各国は