【北京=古谷浩一】中国が「高速鉄道」の輸出にアクセルを踏み始めた。政府主導で積極的な売り込みを展開。対象国との経済貿易関係の拡大を狙う。アジア周辺国との関係では、政治的な影響力の増大につなげる戦略的な動きとも受け止められている。 「中国の鉄道は、海外進出戦略の実施を加速する。関係企業を積極的に組織し、国外の鉄道プロジェクトの輸出市場を開拓。国際的に高速鉄道の技術を分かち合いたい」 中国鉄道省の何華武総工程師は7月末、北京での記者会見で、政府が主導して鉄道技術を輸出する姿勢を訴えた。 同省は米国、ロシア、ブラジル、サウジアラビアなどとの鉄道建設協力の調整チームを立ち上げたことを明らかにする。「数十カ国が自国の鉄道プロジェクトへの我が国の参加を希望している」(王志国・鉄道次官)といい、トルコやベネズエラの高速鉄道建設計画に中国企業が関与を始めているとされる。 政府をあげての後押し姿勢は