ちらいむ @chilime 国立科学博物館 日本館地下一階 天皇陛下御即位三十年記念展示 天皇陛下の御研究と皇居の生きものたち、一室丸々陛下のご研究と皇居の生きものたちにまつわる展示でほんと「来てよかったああああ!」感。何がすごいって研究がガチ。ご公務お忙しい筈なのにガチ。キャプションが特殊なところも要注目。 pic.twitter.com/YQ4lLTW64v 2019-02-16 13:03:47
<はじめに> 明仁天皇陛下を筆頭著者とする皇居のタヌキの食性に関する論文(英文)が公表された。このことが報じられてから、複数の人から「タヌキの食性を調べるってどういう意味があるんですか」とか「新種発見とか絶滅危惧種ならわかるんですが、タヌキって珍しくないんじゃないですか」といった質問をもらった。それは私自身に対する質問でもあるような気がした。多くの人がこの論文に興味を持ちながら、学術論文であるからと敬遠して目にすることがないのは残念なことだ。そこで、タヌキの食性を調べてきた者としてこの論文の解説と感想を記してみたい。 <動物の食性を調べること> タヌキの食性、つまり「何を食べているか」を調べることはタヌキに関する生物学のひとつの項目である。分類学、形態学、生物地理学、行動学など、それぞれの分野についてタヌキで調べる価値がある。食性解明は、生物学の類型でいえば生態学の項目のひとつといえる。調
陛下と会食? マジで? 実は、天皇陛下と皇居で食事をするという奇跡に恵まれたことがある。もちろん、筆者自身はそんなVIPではないので、偶然と幸運が重なったためだ。 2015年のお正月に、神経科学会の重鎮であるN先生が、天皇陛下の御前で「ご進講」という講義をしたのがそもそもの始まり。ご進講の1ヵ月後に、陛下が講師を皇居に招き、お礼の意味で食事会を開く、というのが慣例となっているそうで、その時に、2名の随行者を連れていくことが許される。N先生は神経科学が専門のK大学医学部教授の先生をひとりと、もうひとりになんと筆者を指名してくれたのである。 指名してくれた理由は、筆者の専門が、「動物の縞模様ができる原理の研究」だからである。陛下が魚類の分類学者であることは、ご存知だろうか。宮内庁のHPに行くと、陛下の論文のリストがある。全部で28編もあるが、そのほとんどがハゼ類の分類に関する論文である。魚種の
宮内庁は6日、天皇陛下が皇居に生息するタヌキの食性について執筆された論文が、宮内庁職員ら3人との共著で、8月22日発行の国立科学博物館研究報告に掲載されたと発表した。平成21年1月から25年12月までの5年間にわたり、毎週日曜日の午後2時、皇居の吹上御苑内の同一の「溜糞場(ためふんば)」と呼ばれる場所から糞を採集され、分析。含まれる種子から、季節的な食の変動を明らかにする研究成果を導かれた。 宮内庁によると、タヌキの1カ所の溜糞場で、5年にわたり調査した研究論文は国内外で初めてという。 論文は「皇居におけるタヌキの果実採食の長期変動」。陛下は261回の調査で164個の糞を採集され、95分類群の植物種子を検出。上位8分類群の植物について分析された。主にムクノキの果実が主要な餌で、果実の落果が少ない時期はイチョウなどの胚乳で栄養分を補うなど、皇居では複数のタヌキが生活できる餌資源が安定的に供給
この生物多様性年も終わりに近い頃、日本の淡水魚が1種増えました。それは、最近新聞などでも報じられたクニマスのことです。クニマスは田沢湖にだけ生息していましたが、昭和の10年代、田沢湖の水を発電に利用するとき、水量を多くするため、酸性の強い川の水を田沢湖に流入させたため、絶滅してしまいました。ところがこのクニマスの卵がそれ以前に山梨県の西湖に移植されており、そこで繁殖して、今日まで生き延びていたことが今年に入り確認されたのです。本当に奇跡の魚(うお)と言ってもよいように思います。クニマスについては、私には12歳の時の思い出があります。この年に、私は、大島正満博士の著書「少年科学物語」の中に、田沢湖のクニマスは酸性の水の流入により、やがて絶滅するであろうということが書かれてあるのを読みました。そしてそのことは私の心に深く残るものでした。それから65年、クニマス生存の朗報に接したわけです。このク
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