シンガポール政府が1月末に発表した新たな移民政策が同国内で大きな論議を呼んでいる。同政策は人口白書の形で発表され、持続的な経済成長を支えて高齢化社会に備えるため、これまで以上に外国からの移民を受け入れ、2030年には人口690万を目指すことが盛り込まれた。そのうち半数近くは外国人で占められるというのだ。このため、シンガポール人の中からは、自分たちが少数派になってしまうのではと懸念する声が強まっている。 ◆高飛車な発言 もともと、一般のシンガポール人の間では近年、住居費や物価の高騰、交通機関の混雑悪化などで外国人の増加に不満を持つ人が多い。12年6月の段階で、人口531万のうち、すでに外国人が37%を占めているからだ。 とくに移民の急増で、仕事を奪われたと感じているシンガポール人は多いという。 米コンサルティング会社のギャラップが11年に行った調査で「世界一感情を表さない国民」とされ