【グランドアイル(米ルイジアナ州)=山田哲朗】米南部ルイジアナ州沖のメキシコ湾で続く原油流出は、タール状の原油が沿岸部に押し寄せ、環境汚染が広がっている。 米国史上最大となった原油流出事故を前にして、被害拡大阻止で有効策を欠くオバマ政権に対して、国民から批判が強まっており、オバマ大統領は苦境に立たされている。 ルイジアナ州グランドアイルからボートで20分ほどの無人島を3日訪れると、オイルフェンスで囲われ、フェンス際に赤茶けたタールの塊がぷかぷかと浮かんでいた。一部はフェンスをくぐって湿地に達し、草の根が茶色く変色している。ペリカンやカモメ、アジサシの繁殖地として知られる島は、死の気配に包まれていた。 ペリカンが1羽海面でもがく。べっとりと全身を覆う厚い油。見開いた目だけがはっきり見える。岩の上では別の1羽が油まみれで突っ伏して動かない。力尽きたようだ。 案内してくれたアンソニー・シェラミー