印刷 「はやぶさ」の活躍を描いた紙芝居を披露する杉浦貞さん=大阪市北区、矢木隆晴撮影被災地の岩手県大槌町の幼稚園で、園児と保護者を励ます杉浦貞さん(左奥)=NPO法人遠野まごころネット提供 バイクに木箱を積んで大阪の街を巡る紙芝居師のおっちゃんが、東日本大震災の被災各地を巡業している。奇跡の帰還を果たした小惑星探査機「はやぶさ」の物語を携え、被災者を励ます。 「お待ちどう。始めるでえ」。岩手県大槌(おおつち)町の公民館。拍子木を鳴らして杉浦貞(ただし)さん(80)=大阪市北区=が新作「応答せよ はやぶさ」を始めた。 幾多のトラブルを乗り越え、7年越しで小惑星の砂を持ち帰った探査機の実話に、幼稚園児と保護者ら約30人が引き込まれていく。 「絶望感が広がる中、川口教授は言った。『はやぶさはきっと見つかる』」。メリハリのきいた口調で33枚、30分の物語は流れるように進んだ。 駒木里美さ