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ブックマーク / magazine-k.jp (10)

  • ジャーナリスト・惠谷治さんの死と蔵書大頒布会

    引っ越したアパートの床が蔵書で埋まってしまった——というシーンから始まるエッセイ『で床は抜けるのか』をサイトに掲載したのが2012年。それ以来、蔵書をめぐるルポを書き続け、2015年には同名で書籍化、2018年には文庫化された。この連載や書籍の印象から、僕のことを“蔵書問題ライター”だと思っている方は多いかもしれない。 しかし、それは僕の一面でしかない。かつて「日」だった国や地域、日の国境の島々を回る、旅系・辺境系のライターとして僕のことを認識している読者もいるだろうし、僕自身、どちらかというと、そのように自負している。 今回の記事は、その双方の要素が入り交じっている。旅系・辺境系ライターとしての僕が最も憧れるジャーナリストの死とその蔵書の行方について記してみたい。 惠谷治さんはロシア革命を成し遂げたレーニンさながらの強面な風貌と、細かな分析による北朝鮮論評、アフリカやアフガニスタ

    ジャーナリスト・惠谷治さんの死と蔵書大頒布会
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    waterperiod 2018/08/28
    故人の蔵書の資料的価値を遺族が正しく理解し処理した希有な例。“責任をもって、あなたの残したものを処分していきます。誠意ある形で分散させて、なるべく生かしていく。その方法を遺された家族が考えますからね”
  • 「無書店自治体を走る本屋さん」は、なぜ走る?

    の砂漠・北海道で社会実験 北海道では1998年を境に書店の数が減少の一途を辿り、現在、179市町村のうち約50の自治体が「無書店自治体(ゼロ書店自治体)」だ。市町村総数における「無書店自治体が占める比率」をみると、全国ワースト6位だが、北海道州と比べると広大な面積の自治体が多く、隣町に屋があったとしても車で1時間とか、峠越えとかが珍しくない。路面の積雪・凍結期ともなれば、いっそう移動がキツく、「の入手の困難さ」で計れば、おそらく全国ワースト1位だろう。 そうであっても公共図書館などで「まちのの保有量」が補完されていれば、まだ良いのだが、公共図書館設置率で全国ワースト3位、学校図書館の整備(新刊購入予算の措置率)で同ワースト2位となれば「の砂漠・北海道」という呼称もあながち誇張でなくなる。 「活字離れ」でもなく、「あらかたアマゾンに取って替わられた」わけでもなく、「電子書籍が市

    「無書店自治体を走る本屋さん」は、なぜ走る?
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    waterperiod 2016/06/17
    “8割は「興味本位とワクワク感」に突き動かされての計画作り”この精神を保ちつつしっかり運営戦略を立てているのがポイント。あと道新の販売店が地域の情報拠点という発想はなかったが確かにその通りだと思う。
  • 東京カフェムーブメントと図書館カフェ

    盛り上がる図書館カフェ 図書館のカフェが注目されている。利用者としての印象もあるが、アカデミック・リソース・ガイドのスタッフとして関わっている公共図書館づくりにおける現場での実感としてより強く感じる。『ライブラリー・リソース・ガイド』12号の特集「カフェ✕図書館」冒頭のエッセイ「図書館コーヒーを飲んでもいいの?」にも書かれているが、図書館のカフェが注目される契機となったのは、やはり武雄市図書館のスターバックスコーヒーだろう[*1]。「いやいや、武雄市図書館の前から図書館にカフェはあったよ」とおっしゃる方もいると思う。それはその通りなのだが、それまで図書館に関心がなかったような人びとにも「スタバのある図書館」として認知されたことは、図書館におけるカフェムーブメントの新たな扉を開く大きな出来事であった。 武雄市図書館の企画段階で市民を対象にしたアンケートを行った時に、今後図書館に増えたらうれ

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    waterperiod 2015/11/08
    雑誌の特集から李さんの記事(あくまで空間としてのカフェへの言及)だけ抜粋して載せるのはどうなのかなあ、と思う。本誌の方だと「地産系メニュー」等図書館と地域の密着性に言及している記事も載ってるので。
  • 私設雑誌アーカイブ『大宅文庫』の危機【後編】

    京王線・八幡山駅で下車し、左手に都立松沢病院の蒼とした木立を眺めながら大宅文庫(公益財団法人・大宅壮一文庫)へと向かう。この道を、いつも一人で、しかも、複雑な心理状態で歩いていた記憶がよみがえる――。 サラリーマン編集者をしていた20〜30代の頃だ。ある時は、予定していた取材先だけではページが埋まらず、締め切りが迫る中、急遽、ネタを探し直さねばならず焦っていた。またある時は、企画会議の直前だというのに手持ちのネタがなく、急ごしらえであろうが企画をひねり出さなくてはという不安に押しつぶされそうになっていた。そして資料を漁り終えると、一目散で編集部に戻らなければならない。街を眺める余裕すらなかった。何度も通った八幡山なのに、自分はこの街のことをほんとんど知らないことに気がついた。 大宅文庫に「行く人」と「行かない人」 実を言うと、今回、正式な取材の申し込みをする前、誌「マガジン航」の編集・

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    waterperiod 2015/09/10
    きちんと利用して(これ大事)、取材して、色々な「何故?」に答えている記事。
  • 私設雑誌アーカイブ「大宅文庫」の危機【前編】

    「知らなかった、大宅文庫が経営の危機にあることを」――。 8月8日、このような一文から始まる書き込みをFacebookにアップした。すると瞬く間に「拡散」され、5日後には「いいね!」が497人、「シェア」が276件。Facebookと連動させているTwitterのほうは、「リツイート」が674件、「お気に入り」が272件……。正直、驚いた。こんなに話題になるとは思ってもいなかった。その一方で、「みんな当に大宅文庫に関心があるの?」と訝る気持ちも生まれてきた。 公益財団法人・大宅壮一文庫(以下、大宅文庫)は、東京都世田谷八幡山にある雑誌専門の私設図書館だ。その名の通り、ノンフィクション作家で評論家の大宅壮一(1900〜1970年)が蒐集した膨大な雑誌資料が元になっている。大宅壮一といえば「一億総白痴化 」や「駅弁大学」「男の顔は履歴書である」といった名言・語録でも知られているが、「は読む

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    waterperiod 2015/08/27
    出版社からももっと寄付を!と思ったけれど、利用を支えているのが組織に属さないライターさんだとすれば、値上げの影響は大きかったのだと思う。たとえ大宅文庫としてやむを得なかったとしても。
  • 「フリーライブラリアン」のすすめ

    私の肩書の一つは、フリーライブラリアンです。「図書館外で図書館司書のようなはたらきをする人」という意味で、数年前から使っています。 きっかけは、二つありました。一つ目は、司書のはたらきは人から必要とされている、けれど届いていない、と感じる出来事があったこと。当時勤めていた大学図書館でのレファレンス(調べものの手伝い)について友人に説明すると「図書館の人にそんな質問してよかったの?」という反応をされることが、たびたびありました。図書館を利用していないわけではない友人たちの反応から、司書にできることが世間で知られていない、知られていないがために活用されていない、と感じました。 「かかりつけの司書」となるまで そうこうしているうちに、ある年配の社会人大学院生との間で、印象に残るやりとりがありました。社会人入学をされるくらいだから、とても熱心な方です。レファレンスでは、単に質問内容だけを聞くのでは

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    waterperiod 2015/08/09
    著者の方はLRGの11号にも寄稿している。もちろん組織に属する図書館員がこうした外的支援がいらないぐらい内部需要を喚起できるのが最適だけど、そこから零れ落ちる人への支援というか情報提供はあっても良いと思う。
  • 図書館の知を共有するために

    図書館とはなんだろうか。 もともと図書館員である私の中には、つねにこの問いがある。読書をするための場所か。読書をするためのを提供するところか。との出会いを演出する場所か。それらは間違いではない。しかし、来、図書館が提供すべきサービスはそれだけではない。 を「読む」だけではなく、「使う」のを支援すること。から利用者が必要な情報を得られるようにすること。利用者にとって、に限らず、必要な情報にアクセスするための「道しるべ」となること。さらに、そうした目的のために情報を蓄積し、整理し、使いやすく準備し、提供すること。そのすべてが図書館の役割である。これらを実現し、よりよくサービスを行うために、日々、図書館は努力しているのである。 新しいサービスを打ち出すこともそうだし、これまでのサービスをちょっとした工夫で改善することもそうである。ダイナミックに変わることもあれば、少しずつ地道に改善さ

    図書館の知を共有するために
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    waterperiod 2013/10/21
    LRGの編集ポリシーなどなど。
  • まちとしょテラソで未来の図書館を考えてみた

    エントランスを入ると白い棚が整然と立ち並んでいる。それほど広くはないが、天井の高さが開放的で清潔感のある空間だ。入ってすぐのカウンターにいた女性スタッフが気持ちのよいトーンで応対してくれた。何でも「まちじゅう図書館」というプロジェクトをはじめたらしい。町の酒蔵や銀行、カフェなんかにが置かれているのだとか。 興味深いけれども、まずは館内、館内。といっても10分もあれば見て回れるぐらいの広さだけど…。なるほどiMacが並ぶブラウジングコーナーに、妖怪や地元の絵作家の選書棚、カーペットが敷かれたキッズスペース、やグッズの売り場、あそこは飲ができるテーブル。へぇ、館内で飲んだりべたりしていいんだ。 あれ?話し声が聞こえるし、子どもたちがはしゃいでるな。ふつうなら注意されるはずなんだけど…。まぁいいか。そういえば、館内にうっすらとヒーリングミュージックが流れてるな—— 小布施町立図書館

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    waterperiod 2013/05/17
    前館長が改革に懸念を示す職員達と対話を続けた結果職員が自ら新図書館の特性を楽しみ自主的に企画できるようになったとの事。空間区切りがないという点ではツタヤ図書館と似てるかもだけど本質は全く違うと思う。
  • 第4回 持ち主を亡くした本はどこへ行くのか

    原稿書きを長時間やり過ぎると首がちぎれそうになるほど痛くなる。そんなときは決まって、近所の整体院に行くことにしている。約一時間、足腰肩首と足の裏でぎゅーっと踏まれ、首や腰を捻られバキバキと関節を鳴らしてもらうと、さあまたがんばろうという気になる。一人で切り盛りしている店なので、指名するまでもなく整体師はいつもMさんだ。5年ぐらい通っているので、すっかり顔なじみだし、施術中は必ず話に花が咲く。 7月だっただろうか。Mさんは珍しく僕に相談を持ちかけてきたことがある。それは、施術後、腰や首のこりが軽減され、身軽になったときのことだった。 「祖父の遺した蔵書を処分したいのですが、信用できる古屋、知りませんか」 聞けば、だいぶ前に亡くなったお祖父さまの蔵書なのだという。 「祖父は詩人で大学教員もしていました。勤務した大学に蔵書を一部寄付しましたがまだまだ沢山あるんです」 にまつわることを取材して

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    waterperiod 2012/09/12
    身につまされる記事。自分の死後に蔵書がゴミか宝か判断するのは当然だが自分以外なのだ。/本文に登場する帯広大谷短大の「草森紳一記念資料室」は図書館ではなく生涯学習センター所管。図書館関係者的には複雑。
  • 揺れる東京でダーントンのグーグル批判を読む

    グーグル社が、過去のも現在のもひっくるめて、人類がつくりだしたすべてのを網羅的に電子化し、かれらの全文検索サービスの対象にするという「グーグル・ブックス」計画をスタートさせたのが 2005年。これに対してアメリカの作家ギルドや出版社団体が「あきらかな著作権侵害だ」と集団訴訟をおこし、いろいろあったすえに一応の和解にたどりついた――。 この件について私が知っていたのはそのあたりまでです。その後、とくに最近は大地震と大津波、福島原発の崩壊と、すさまじいできごとがつづき、日のジャーナリズム同様、そとの世界で起きていることがらに関心をもつ余裕をすっかりなくしていた。そんなとき仲俣暁生氏から一通のメールがとどいた。「ニューヨーク・タイムズ」と「ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス」の電子版にロバート・ダーントンの新しい文章がのっている。それを読んで感想をのべよ、というメールでした。 ダーン

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    waterperiod 2011/04/18
    こんな所にsaveMLAKが。
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