インパクトのあるタイトルと、いくぶんセンセーショナルな宣伝もあってか、発売前から話題の書となっているようである。ただ、私としてはあまり期待が加熱するのは本書にとってよくないだろうと危惧する。以下、その危惧について述べる。なお、私が読んだのは (1) 原著、(2) 2015年のブレアの前著 Design Mom、(3) および現時点で参照可能ないくつかのネット上の情報である。翻訳書は(発売前なので)目を通していない。以下に述べる危惧のいくつかが、訳注や解説で解消されていることを願っている。 本書の内容 本書は(少なくとも書いてあることをそのまま読む限り)一般的な性教育の書である。それ以上に論争的な主張にコミットしてはいない。妊娠について男性の責任が強調されているのは確かだが、「フェミニズム」の書であると分類するほどの積極的な主張はあまりない。もちろん、こういった性教育の知識が日本で、とりわけ