9月30日の朝日新聞朝刊に内閣法制局長官、最高裁判事を歴任した山本庸幸氏のインタビュー記事が掲載された。山本氏は2013年8月に安倍政権が内閣法制局長官に抜擢した駐仏大使の小松一郎氏の前任者。交代を聞かされた時の様子や小松氏に挨拶回りをした時の様子などを証言している。 このインタビューの中に、非常にミスリーディングな報道の影響を受けたと思われる発言があった。菅義偉首相が自民党総裁選の際に「政権の決めた政策の方向性に反対する幹部は異動してもらう」と発言したことについて「気になる」と指摘した部分だ。実はこの「反対したら異動」発言は菅氏だけではなく、総裁候補の岸田文雄氏と石破茂氏も同様に発言していたのだ。だが、あたかも菅氏だけがそうした発言をしたかのように報じられてきた。事実を見極めるプロ中のプロであるはずの元最高裁判事も、こうした報道の影響下から逃れられないことを示す例だ。 橋下氏が3人の候補