アメリカの債務問題に振り回された1週間であった。多くの人々が、そして私も予想していたように、結局は、最後に妥協が成立した。しかし、オバマ米大統領は、簡単に妥協しなかった。共和党は、オバマケア(国民医療保険制度)の変更を強く求めた。私が指摘しておいたように、これはオバマ米大統領と国民との約束なのであるから、そう簡単に妥協できるシロモノではないのだ。リベラルなオバマ米大統領にとって、貧困者に最低限の医療を保障する政策は、譲ることのできない理想なのであろう。 わが国のマスコミは、今回の動きを“決められない政治”と揶揄していたが、わが国で流行っている“決められない政治からの脱却”とはいささか次元が違う動きであったと、あえて私は指摘しておきたい。アメリカでの、国民全体を対象とした医療保険制度が整備されていない現状の改革は、アメリカの多くの識者が主張していたのである。他の先進国からみても、アメリカの現