チョコレートの主原料であるカカオは、環境に負荷の大きい方法で栽培されることが多い。最高級カカオの産地であるマダガスカルでは、チョコレート生産をより持続可能なものにするための新たな取り組みが行われている。(PHOTOGRAPH BY HUIENG HU, GETTY IMAGES) マダガスカルは、最高品質のカカオの産地の一つだ。同国では、世界中で愛されているチョコレートの主な原料であるカカオが、環境を配慮した農法で栽培されており、この国独自の生態系に恩恵をもたらしている。 カカオの中には暑さに弱い品種があり、日陰を作り出す果樹や広葉樹の間で栽培される。カカオとともに森も作るこの方法は「アグロフォレストリー(森林農法)」と呼ばれ、昔から実践されてはいたものの、カカオ栽培の普及と生産量の向上を目指して再び脚光を浴びている。 アグロフォレストリーには別の利点もある。生態系を維持することで生物多様