彦根市は、市内で生産される環境に配慮した米を、市の人気キャラクター「ひこにゃん」の名前をつけた「ひこにゃん米(まい)」としてブランド化していくことになり、8日、「ひこにゃん」が、田んぼで田植えのお手伝いをしました。 彦根市は、農薬や化学肥料を大幅に抑えて市内で栽培する米を今後、「ひこにゃん米」としてブランド化することを目指しています。 8日は彦根市内の田んぼでひこにゃん米として初めてとなる田植えが行われ、ひこにゃんも登場して「秋の詩」という品種の田植えをお手伝いしました。 ひこにゃんはJAの担当者に苗を手渡したり、首につけた鈴を鳴らして田植え作業する人たちを応援したりしていました。 また、田んぼの近くにあるJAの支店では、地元の園児たちおよそ40人がバケツを使った米作りにも挑戦し、ひこにゃんは子どもたちが植えた稲を見て拍手を送っていました。 およそ30アールの田んぼに植えられた「ひこにゃん
静岡県袋井市で米農家を営む佐野文菜(あやな)さん(35)は、母親の病死をきっかけに9年前に看護師から米農家に転身した。そこで気づいたのは、道路や住宅などに転用され、農地が減っていることだった。幼い頃から親しんだ田園風景が次々と開発されることに危機感を持った佐野さんは、市内で農業を営む女性たちを集めて「袋井農業女子」を結成した。 日本の農地は、この60年で29%も減っている。この現実を打開するために立ち上がった農業女子たちの取り組みを見た。 ●進む農地開発、遠ざかる農家 佐野さん、古川さんの耕作地(静岡県袋井市) 「隣の農家の田んぼが道路になってしまう」。佐野さんがそんな話を聞きつけたのは、2年前のことだ。市が進める道路開発に自身の農地が対象となった古川和正さん(49)はこう語る。 「市から道路を作ることになったと連絡があった。代替地を用意すると言われたが、どこになるのかもはっきりしていない
農薬や化学肥料を使わずに育てた農産物を買い取って学校給食で使う――。農家をこんな形で支援する取り組みを愛知県大府市が始めている。今年は稲作にも挑戦。手間暇がかかったとはいうものの5・3トンを収穫できた。 名古屋市に隣接し、企業も多数進出している大府市は、環境に優しい農業の推進を掲げている。その一環で市は2年前から、市内で有機農業を進めている有志の生産者たちから野菜を買い取って、保育園の給食で使うようになった。今年2月には市が事務局となり、有志らが「おおぶニックのWA」を設立した。今年は、オーガニック(有機)の言葉にかけた「おおぶニック米」と名づけた米づくりを始めた。 3人の農家が参加。休耕田など計1・45ヘクタールでは農薬や化学肥料を使わなかった。代わりに雑草を抑える効き目がある魚粉が主体の有機発酵肥料を散布した。 農家の一人、本田貴士さん(45)によると、水が少ない田んぼだと雑草が生えや
使っていない時期の田んぼに水を張り地下水を生み出す「湛水(たんすい)事業」。これまで熊本県の白川流域では春から夏にかけて行われてきたが、これをさらに冬の期間も行おうという取り組みが2023年度から大津町の一部の地区で始まり、11月なのに田植え前のような光景が広がった。 年間100万トンの水を地下に蓄える 熊本・大津町の瀬田地区で2023年度から始まったのは、冬の間に水を張る「冬期湛水事業」で、11月1日に田んぼに水が入れられた。 この記事の画像(8枚) 冬期湛水は地元の土地改良区が、上井手など6つの用水路の水を冬の間も使用できる「慣行水利権」を2022年12月に取得。 さらに地元の農家が立ち上げた協議会が協力することで実現した。 協力農家15人が、11月から3月まで6.7ヘクタールの水田に水を張り、少なくとも100万トンの水が地下に蓄えられる計算だ。 瀬田地区水田湛水協議会 瀬川友次会長:
(上から時計回りに)「ひの里」の(左から)佐藤輝彰さん、佐藤渓輔さん、三浦俊さん。背後の母校は今月、取り壊された▷コンバインに乗る輝彰さん(ともに秋田県にかほ市釜ケ台)▷水田を泳ぐアイガモロボ。雑草の成長を抑える(「権右衛門」提供) 秋田県南部の小さな集落を次世代へ伝えようと、地元の若者たちが奮闘している。人口減少により集落が存続の危機を迎える中、ふるさとを守りたいとの強い思いから集まった。「農村の活性化は、農村の基盤産業である農業から」。彼らの「切り札」は、身の丈に合ったスマート農業の試みだ。 霧の向こうの桃源郷日本海側から鳥海山と風力発電の巨大風車を眺めながら峠道を登ると、白い霧に包まれた。峠を越え、下り坂になって霧が晴れたとき、桃源郷のような田園風景が現れた。 にかほ市の釜ケ台(かまがだい)地区。標高約400メートルの冷涼なこの土地で、佐藤渓輔さん(37)らは稲刈りの真っ最中だった。
石川県輪島市に広がる、美しい白米千枚田(しろよねせんまいだ)。 その名の通り、千を超える棚田が続くこの場所は、自然と共に調和し、世界農業遺産に認定されるほどの価値がある特別な場所です。 白米千枚田の美しい風景と文化に浸りながら、新たな冒険に出かけてみましょう。 白米千枚田の概要と特徴 白米千枚田(しろよねせんまいだ)は、石川県輪島市白米町にある美しい棚田で、その名の通り、1004枚もの棚田が広がっています。 この場所は、2001年に国の名勝に指定された特別な場所です。白米千枚田は、能登半島北岸に位置し、国道249号と日本海に挟まれた僅かな崖地に広がっています。 土地は肥えており、特有の条件下での稲作が行われています。 かつてはこの地で塩田も存在しましたが、海岸の浸食により現在は行われていません。 田植えや稲刈りの際、多くのボランティアが協力し、この美しい景観を維持しています。白米千枚田の景
●本社調査団が白山、野々市で初確認 絶滅が危ぶまれている「ハネナガイナゴ」が、石川県内で生息域を拡大していることが分かった。北國新聞社の手取川環境総合調査団が9、10月に実施した調査で、5年前はゼロだった白山、野々市両市内で初めて個体を確認した。従来の河北潟周辺から分布を急速に広げており、調査団の専門家は今後も数が増えると予想。大量発生すれば手取川流域での農作物被害が懸念される。 ●河北潟から南下 ハネナガイナゴは他のイナゴと同様、稲の害虫とされる。もともと北陸地方に少なく、石川県が2020年に準絶滅危惧種に指定した。 調査は弘中満太郎県立大准教授が金沢、白山、野々市、能美各市の計25地点で実施した。河北潟近くの金沢市才田町で最多となる92匹を発見したほか、同市粟崎町では2018年の前回調査に比べて18匹多い41匹を採集。新たに見つかった野々市市では28匹、白山市でも目視による調査で個体を
先月下旬以降、雨量が少なく、暑い日が続いている米どころの新潟県では、上越市の一部の水田で稲が枯れる被害が広がっていて、地元の農家は収穫量や品質の低下を懸念しています。 上越市では、28日までの1か月間で雨量が平年の15%程度の27.5ミリと少ない一方、最高気温が35度以上の猛暑日は21日に上り、暑い日が続いています。 こうした水不足と高温の影響で、上越市の山あいにあり、雨水などを使う天水田と呼ばれる棚田では、稲が枯れる被害が広がっています。 このうち上越市牧区のコメ農家、中川卓夫さんの広さ12ヘクタールの天水田ではおよそ半分の田んぼで、稲が茶色く変色し枯れる被害が出ています。 中川さんによりますと、水田に水をひくために雨水などをためているため池はあるものの、すでに使える分は使い切ったということです。 また、おくての品種を栽培している水田では、稲が穂を出さない被害も出ていて水不足の影響だと見
【新・農業経営者ルポ】 大潟村に新しい風を吹かせるアパレル出身の女性社長 (株)健康米 味楽農場 代表取締役社長 藤村ゆき 第229回 2023年08月24日 価格:220円 この記事をPDFで読む 秋田市で生まれ育ち、百貨店などに勤務していた藤村ゆきは、結婚を機に大潟村に移り住み、農業の世界に飛び込んだ。農業のことは何もわからなかったが、努力を重ね、トラクターもフォークリフトも乗りこなすようになり、今ではドローンを操縦する。さまざまな資格を取得する多彩な顔を持つ一方、農場の広告塔として営業も担当し、特別栽培米を100%自主流通させるほどまでに販路を開拓してきた。すべてが順調ではなく、時に逆風にさらされながらも、地域や農業を盛り上げたいと、日々奮闘している。文・写真/筑波君枝、写真提供/(株)健康米 味楽農場
4年ぶり復活「大一番の力に」 岩手県奥州市の水田に、米大リーグで投打の“二刀流”として活躍する地元出身の大谷翔平選手を描いた田んぼアートが浮かび上がった。一度は途絶えるも地元の要望に応え、農家有志が再開させた。大谷選手は11日(日本時間12日)、大リーグのオールスター戦に出場する。農家らは、田んぼに描いた姿と同じように「大一番でも躍動してほしい」と期待を込める。 同市には、大谷選手の田んぼアートを制作する組織があったが、新型コロナウイルスの影響で2019年を最後に中止した。その後、高齢化などを理由に22年に組織は解散した。 ただ、解散後もなお、田んぼアートを見ようと地域に訪れる見物客が後を絶たなかった。一般市民だけでなく、地元の観光関係者らからも再開を待ち望む声が多数寄せられる中、「農家の持てる力を発揮しよう」と有志が集まって今年、「跡呂井田んぼアート実行委員会」を発足。大谷選手の田んぼア
北海道七飯町の北海道電力七飯発電所の設備故障に伴い、農地2000ヘクタールへの通水停止が続く中、水稲が幼穂形成期に入り、地元農家や関係機関は収量確保に向け、地域を挙げて節水に奔走している。該当する2市1町は道南屈指の水田地帯で、ブランド米「ふっくりんこ」の種子産地もある。地元の渡島平野土地改良区は、農家に協力を呼びかける。 農地への通水が止まっているのは同町と北斗、函館両市。米を作る水田は1000ヘクタールに上る。同改良区は関係機関と協力し、ポンプ25台以上を使って河川からの取水などを進め、6月末の時点で全農地への通水にこぎ着けた。 ただ、7月に入って水稲は幼穂形成期を迎え、今後は幼穂を低温から守るため、深水管理に使う水の量をどこまで確保できるかが課題。同改良区は6月末、組合員約1100人に、節水や漏水防止を呼びかける文書を発送。①水田暗渠(あんきょ)の水口などはしっかり閉じる②畦畔(けい
大雨で増水した河川の水をあふれさせてためる「遊水地」。洪水被害を抑える役割があるが、埼玉県坂戸市の越辺(おっぺ)川流域では、農地に計画されたため反対の声が上がっている。この土地で、特産のブランド作物を育ててきた生産者たちがいるからだ。 5月下旬、遊水地が計画されている同市三芳野地区。越辺川右岸に広がる水田では、農家の原伸一さん(50)が田植えに精を出していた。畑には黄金色の小麦も揺れていた。 「小麦はパンや麺に適した『ハナマンテン』という品種で、田んぼは有機堆肥(たいひ)を使ってブランド米を作っている。こんな良い農地になぜ遊水地を造らないといけないのか」。原さんはそうつぶやいた。 越辺川は、荒川に注ぐ入間川の支流の一つだ。入間川流域では2019年の台風19号で堤防が決壊。床上浸水592戸、床下浸水286戸の被害が出た。 翌20年、国土交通省は、県や市町と「入間川流域緊急治水対策プロジェクト
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