栽培イネのトビイロウンカに対する抵抗性遺伝子BPH26(ビー・ピー・エイチ・ニジュウロク)を世界で初めて特定し、DNAマーカーを開発しました BPH26とともに存在すると、トビイロウンカに幅広い抵抗性を発揮する遺伝子BPH25のDNAマーカーも、今後2-3年の間に開発の見込みです。 この二つの遺伝子のDNAマーカーを利用することにより、日本に飛来するトビイロウンカに抵抗性を発揮する国内水稲品種の作出を飛躍的に短縮できます。 独立行政法人農業生物資源研究所(生物研)、九州大学及び名古屋大学は、トビイロウンカに対するイネの抵抗性遺伝子BPH26について、世界で初めてその配列を決定するとともに、その機能を明らかにしました。 トビイロウンカは、中国より飛来し、イネの師管1)から栄養分を摂取して枯死させる害虫です。古来より、日本の稲作に甚大な被害をもたらしてきましたが、主に薬剤防除に頼ってきました。
このたび,愛媛大学農学部分子生物資源学教育分野の西口正通(ニシグチ マサミチ)教授と独立行政法人農業生物資源研究所植物科学研究領域の市川裕章(イチカワ ヒロアキ)上級研究員の共同研究チームが,イネのヘムアクチベータータンパク質遺伝子(OsHAP2E)の過剰発現が,植物病原菌や細菌,塩害及び乾燥に対する抵抗性を付与し,光合成及び分げつ数を増大させるという機能をもつことを発見しました。たった1つの遺伝子が,このように多くの有用機能を付与することはこれまで知られていませんでした。今後,この遺伝子を利用することにより,植物病原菌や細菌による病害耐性を付与するだけでなく,塩害や乾燥地帯において作物の栽培を可能にし,人口増大に伴う食料不足に貢献すると期待されます。 なお,本研究成果は,英国科学誌『Plant Biotechnology Journal』に掲載され,オンライン版で公開されました(平成26
フィリピン・マニラ(Manila)のロスバニョス(Los Banos)で、「SPIKE遺伝子」が導入されたイネを手にする育種研究者の石丸努(Tsutomu Ishimaru)氏(2013年11月29日撮影)。(c)AFP/INTERNATIONAL RICE RESEARCH INSTITUTE(IRRI) 【12月4日 AFP】フィリピンに本部を置く国際稲研究所(International Rice Research Institute、IRRI)は3日、世界で最も重要な食用作物の1つであるコメの収量を飛躍的に増加させる可能性がある、驚くべきイネ遺伝子を発見したと発表した。 「SPIKE」と呼ばれているこの遺伝子をインド型のイネ(インディカ米)の近代品種に導入すると、収量を13~36%増やせることが予備試験で明らかになったという。インド型品種は、世界で最も広く栽培されている種類のイネ。
プレスリリース 熱帯アジアの稲の収量を増加する遺伝子を発見 - DNAマーカー育種1)によりインド型品種の増収が可能に - 独立行政法人国際農林水産業研究センター 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 首都大学東京 ポイント 大きな穂を持つインドネシアの在来イネから、熱帯イネ品種の収量を13-36%増加させる遺伝子(SPIKE)を世界で初めて明らかにしました。 この遺伝子を識別できるDNAマーカーを用いた効率的な選抜で、交配育種によりインド型品種の収量性を向上させることができます。 東南・南アジアなどインド型品種を栽培している熱帯の開発途上地域での食料安定供給に貢献することが期待されます。 概要 独立行政法人国際農林水産業研究センター(JIRCAS)は、国際稲研究所(IRRI)、農研機構作物研究所及び首都大学東京と共同で、インド型品種の遺伝的背景で収量を増大させる遺伝子(SPIKE)
農林水産技術会議事務局は、農業技術クラブの協力を得て、「2012年 農林水産研究成果10大トピックス」を選定しました。 この1年間に新聞記事となった民間、大学、公立試験研究機関及び独立行政法人研究機関の農林水産研究成果のうち、内容に優れるとともに社会的関心が高いと考えられる成果10課題を農業技術クラブ(農業関係専門紙・誌など29社加盟)の協力を得て選定したものです。 選定結果について 選定した「2012年 農林水産研究成果10大トピックス」は、次のとおりです。 なお、各成果の詳細は「農林水産研究成果10大トピックス」のページ(http://www.s.affrc.go.jp/docs/10topics.htm)で紹介いたします。 1.高温で乳白粒が発生する原因を遺伝子レベルで解明 独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター、新潟大学農学部と独立行政法人
農業生物資源研究所は7日までに、田植えをしてからイネが実るまで、葉に関するほぼすべての遺伝子の働き具合を予測するシステムを開発したと発表した。1日分の気象データと田植え後の日数、時刻を入力すれば、遺伝子がどの程度働いているかがわかる。肥料や農薬の散布時期を最適化して、米の収穫量の増加につながると期待される。2008年に茨城県つくば市内の水田で日本晴という品種の米を育てた。田植え直後からイネが
水田で育つイネ(日本晴及び農林8号)のほぼ全遺伝子の働き(発現)を大規模に解析して得られたデータをもとに、気象データと移植後の日数から任意の遺伝子の働きを推定できるシステムを構築しました。 このシステムを使うことにより、過去の気象データを用いて高温障害などに関連する遺伝子を特定することが可能になります。 将来的には、こうした遺伝子の働き方を指標にすることで、作物の生育状況を正確に予測することが可能となり、施肥時期や農薬散布時期等の最適化などが可能になると期待されます。 概要 (独)農業生物資源研究所(生物研)は、つくば市内の水田で生育させたイネ(日本晴及び農林8号)の移植直後から登熟期までといった作期全体をカバーする数百個の葉のサンプルについてほぼ全遺伝子(27,201個)の発現量(遺伝子の働く度合い・程度、各遺伝子のmRNA1)量のこと。)を解析しました。さらに、得られたデータと、気象庁
玄米の代謝成分量を決める遺伝型を網羅的解析 -独自開発した高性能のメタボローム分析で玄米の遺伝型と表現型の関連性を詳細分析- ポイント 玄米が含む759個の代謝物を発見、そのうち131個の同定に成功 代謝成分に影響を与える801個の遺伝子を同定 遺伝子組換えをせずに短期間で品種改良できる技術の開発に期待 要旨 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、玄米に含まれる代謝成分をメタボローム分析※1で網羅的に解析して759個の代謝物を検出し、そのうち新たに131個の代謝物の同定に成功しました。また、代謝成分に影響を与える801個の遺伝子も同定しました。これらの発見は、玄米の表現型と遺伝型の関連性の詳細分析が可能なことを実証し、イネの品種改良に役立つ有用なツールとなります。これは、理研植物科学研究センター(篠崎一雄センター長)メタボローム機能研究グループの斉藤和季グループディレクター、松田史
低カドミウム米へ前進=遺伝子特定、組み換えで作成−品種改良に期待・東大など 低カドミウム米へ前進=遺伝子特定、組み換えで作成−品種改良に期待・東大など 東京大などの研究チームは12日までに、人体に有害な重金属のカドミウムをイネがコメに取り込む遺伝子を特定し、低カドミウム米を作り出すことに成功した。諸外国に比べて高い日本の精米のカドミウム濃度を低減する品種改良につながると期待される。論文は近く米科学アカデミー紀要に掲載される。 カドミウムは鉱山の廃液などに含まれ、多量に摂取すると腎機能障害や骨軟化などをもたらす。4大公害病の一つ「イタイイタイ病」の原因物質にもなった。 日本は過去の鉱山開発の影響で、水田のカドミウム汚染度が比較的高く、コメが主食のため摂取量も世界保健機関(WHO)基準の約半分と多い。食品衛生法で定められた精米中の基準値は今年、1ppmから国際基準の0.4ppmに引き下げら
農林水産技術会議事務局では、農業技術クラブの協力を得て、2010年農林水産研究成果10大トピックスを選定しましたのでお知らせします。 農林水産研究成果10大トピックスについて この1年間に新聞記事となった民間、大学、公立試験研究機関及び独立行政法人研究機関の農林水産研究成果のうち、内容に優れるとともに社会的関心が高いと考えられる成果10課題を、農業技術クラブ(農業関係専門紙・誌など29社加盟)の協力を得て選定したものです。 選定結果について 選定した「2010年農林水産研究成果10大トピックス」は、次のとおりです。 なお、各成果の詳細は「農林水産研究成果10大トピックス」のページ(http://www.s.affrc.go.jp/docs/10topics.htm)で紹介いたします。 1.天然資源に依存しないウナギの生産に道を開く、世界初の「ウナギの完全養殖」に成功! 水産総合研究セン
超多収米、高い耐病性でおいしいコメなど ゲノム研究の最前線を紹介 農水省は平成20年度から、新品種開発や育成技術向上のためイネゲノム情報をフル活用しようと「新農業展開ゲノムプロジェクト」を始めた。7月21日には、これまでの成果を発表するシンポジウム「ここまできた!お米の研究最前線」を開いた。 シンポジウムには研究者だけでなく一般の来場者も多く、200人ほどが集まった。 舟山康江農水大臣政務官は「研究成果を今後の活動に積極的に取り入れて頂き、さらなる研究開発の推進に役立ててもらいたい」と、あいさつ。農業生物資源研究所(生物研)の石毛光雄理事長は、「イネのゲノムプロジェクトは、まさに学問の進歩が世の中の役に立つということを示す絶好の機会だ」と、ポスター展示も含めてこの日発表された24件の研究成果を賞賛した。 (写真) あいさつする石毛理事長。会場には200人ほどが集まった。 ◆4億の遺伝子か
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン (その1から読む) 少し整理しておこう。改めて味とは何か。甘味、酸味、塩味、苦味、辛味、渋味、刺激味、無味、脂身味、アルカリ味、金属味・・・など、様々な形容でそれは示される。食べ物の数だけ、さらには食事の回数だけ味があるとも言える。 しかし、多様で複雑な味は、いくつかの基本的な味の合成の結果、生じているのではないかという考えは、古くから持たれてきており、ドイツの心理学者ヘニングは1916年に、甘、酸、塩、苦の4つの味とその複合ですべての味覚を説明する4基本味説を提唱した。すべての味は甘味、酸味、塩味、苦味のブレンドなのだと、彼は考えた。 この説に反対したのが日本の化学者・池田菊苗だった。複雑な味を構成する原味=基本味が存在するという考え方自体
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