実りの秋。「おいしい」「見た目も美しい」を武器に世界の消費者にアピールしてきた農産物の「JAPANブランド」。ところが今、世界の新たな潮流に直面している。その1つが、EUを中心にアジアなどでも進む農薬の使用基準の強化。多様性に富んだ農作物を生産する日本が、コストと品質を維持するために日常的に使ってきたものが、海外では規制の対象になるケースが出てきている。除草剤をめぐっては、世界的企業のモンサントに対する裁判にも注目が集まっている。もう1つは、世界で拡大する有機農産物市場への対応。中国がEU向けの輸出を急速に増やすなど、農産物をめぐる世界的な競争は状況が様変わりしている。そうした中、世界に認められる新たな「JAPANブランド」をどう生み出すのか。各地で始まった模索を見つめ、世界の潮流の変化の中で求められる新戦略を探る。