コダックは、デジタル化への初動こそ遅れたものの、その後、猛追してデジタル変革を成し遂げた。にもかかわらず、破綻を迎えた原因は何か。エコシステムの観点から掘り下げることで、IoT時代に生き残る企業の条件が見えてくる。 破壊的変化はその性質を変えている。かつての破壊は、個別の製品・サービスのレベルにおいて、顧客への提供価値を高める技術競争の過程で生じていた。ディスクドライブなら3.5インチに対して2.5インチ、テレビならブラウン管に対して液晶、銀行なら実店舗に対してオンライン、といった具合だ。 いまや破壊的変化は、エコシステムのレベルで生じている。IoT(Internet of Things:モノのインターネット)は、この変化のよい例だ。すべての産業は、センサー、ネット接続性、ソフトウェアによって様相が一変しつつある。農業から自動車、航空、エネルギーまで、新旧問わずどの産業もその影響を免れない