無謀な挑戦か。それとも、市場の勢力図を塗り替える台風の目になるのか。韓国の現代自動車が立ち上げた高級車ブランド「ジェネシス」のことだ。 現代自動車グループは、高級車販売を「現代」「起亜」に続く第3の独立した専門ブランド「ジェネシス」に衣替えし、2020年までに大型セダンやSUV(スポーツ用多目的車)など6車種のラインアップを整えて、独メルセデスベンツや独BMWなどに真正面から戦いを挑むという。同社の狙いはシンプル、もっと稼げる“真の一流メーカー”に脱皮したいということだ。 ◇ 現代は、値段のわりに性能が良い「コストパフォーマンス」の高いメーカーとして北米や中国などで販売台数を伸ばし、今や台数ベースでは世界5位レベルに位置する紛れもない世界大手だ。ただ、自動車市場にはもう1つの「階級ピラミッド」がある。品質や信頼性、自動車文化の中でのステータスに基づく、いわば価値の順位だ。ピラミッドの底辺は