2019年の桜を見る会で挨拶する安倍晋三首相(当時) 安倍晋三元首相による数々の虚偽答弁が発覚した「桜を見る会」問題。2020年12月24日には記者会見が行われたが、まるで「苦し紛れの弁明」が繰り返され、責任を取ることなく流されたままに……。“物言う弁護士”郷原信郎氏は、「政治に『最低限の信頼』を取り戻すためには、『虚偽答弁』の動機と経過を明らかにしていくことが不可欠だった」と振り返る。朝日新書『「単純化」という病 安倍政治が日本に残したもの』から一部抜粋、再編集し、解説する。 * * * 政治資金と個人資金の一体化 安倍氏の説明は、前夜祭をめぐる費用補填について何とかして追及をすり抜けようと腐心したのであろうが、その結果、安倍氏に関連する政治資金の処理に関する重大な問題を自ら明らかにすることになった。 安倍事務所では、安倍氏の個人預金から一定金額を預かって、安倍夫妻の個人的な支出の支