当選確実の候補者に花をつける自民党総裁の岸田文雄首相=10日午後9時55分、東京・永田町の自民党本部(矢島康弘撮影) 岸田文雄首相は参院選で政権運営に一定の信任を得て、衆院を解散しない限り大型国政選挙のない「黄金の3年」の入り口に立った。選挙戦で焦点となった物価高対策など喫緊の課題だけでなく、急逝した安倍晋三元首相が果たせなかった憲法改正を自身の手で実現できるのか。首相には一刻の猶予もない。 「新型コロナウイルス、ウクライナ(侵攻)、物価高騰を乗り越えなければいけない。そして、日本の経済再生に本格的に取り組んでいきたい」 首相は10日夜のテレビ東京番組で、選挙結果を踏まえ、こう強調した。 昨秋の就任以来、首相は〝守り〟を優先し、新型コロナの感染拡大防止のための水際対策の強化などを進めてきた。発足時の内閣支持率は菅義偉前政権より低く、党内基盤も盤石ではなかったためだ。 首相としては、参院選の