1兆2500億円−。これだけ巨額の赤字を出しながら破綻しない企業も珍しい。福島第1原発事故を起こした東京電力のことだ。株価は一時150円割れするなど暴落し、世界的格付け機関から「投資不適格」の烙印を押されている。資金調達もままならず、本来ならとっくに会社更生法を申請してもおかしくないが、民主党関係者は「東電は潰さない」と断言する。特別扱いされる3つのワケとは…。 東日本大震災の影響で経営破綻する企業が急増している。東京商工リサーチが調査した「震災破綻」は6月7日までに156社を数え、1995年の阪神・淡路大震災の年間倒産件数144件を3カ月弱で追い抜いた。 商工リサーチ情報本部の友田信男副本部長は「(中小・零細企業に対する)政府の緊急支援対策が薄らぐなかで震災が起きてしまった。体力がなく、資金繰りが厳しいところから順に潰れている。夏場は節電による間接倒産も予想され、事態はさらに悪化しそ