世界的な超低金利や欧州のデフレ懸念など今年の世界経済は波乱含みで始まった。金融危機後の経済の分析で定評のあるケネス・ロゴフ・ハーバード大教授に見通しを聞いた。欧州の債務危機、いまだ出口見えず――欧州中央銀行(ECB)が1月に国債を買う量的緩和を決断した。「(国債の購入は)ドイツだけでなくユーロ圏北部各国が強く反対していた。ドラギECB総裁は勇気を奮い、反対勢力を説得した。これでユーロ圏各国が
スペインやギリシャのようなユーロ圏の国では若者の失業率が50%に達している。1世代が、維持困難に陥っている単一通貨の犠牲になっているのだろうか。もしそうであれば、ユーロ加盟を拡大することは、欧州の目標──必ずしも完全な政治的統合を達成することなく、経済統合を最大化する──に本当に寄与するのだろうか。経済調査によって、少なくとも大きな国にとっては、通貨圏は国境に従わないかぎり、非常に不安定になるということが徐々に明らかになってきている。通貨統合には、課税やその他の政策に関して、欧州の指導者たちがイメージしているよりもずっと中央集権的な権限を持った連合が必要になる。 ノーベル賞受賞者の経済学者、ロバート・マンデルが1961年に示した「国境と通貨の境界は大きく重なる必要はない」という有名な推論がある。彼は、労働者が通貨圏内において、雇用のある場所に移動できるのであれば、為替レートを調整する平衡メ
1 2 3 4 5 米国の大物経済学者が警鐘! 「世界経済危機の第二波が近づいている」 ケネス・ロゴフ ハーバード大学教授(元IMFチーフエコノミスト)に聞く 金融危機後の経済運営に苦慮する欧米の政策担当者の間で今、ある本が注目を集めている。800年に及ぶ経済危機の歴史と教訓を探った「THIS TIME IS DIFFERENT:Eight Centuries of Financial Folly」(プリンストン大学刊)がそれだ。著者は、国際通貨基金(IMF)元チーフエコノミストのケネス・ロゴフ・ハーバード大学教授とカーマン・ラインハート・メリーランド大学教授。メインタイトルを直訳すれば、「今回は違う」だが、実際の主張は真逆だ。世界は、言うなれば「今回は違うシンドローム」に囚われ、同じ過ちを繰り返してきたという。その診断が正しければ、今回も危機の第二波が近づいている。ソブリンデフォルト、
元IMFチーフエコノミストの警鐘 「これは不況ではなく大収縮!2010年も 続く世界経済と日本経済の危ない綱渡り」 新春特別インタビュー!ケネス・ロゴフ・ハーバード大学教授 日本と世界の経済にとって正念場となる2010年が幕を開けた。景気底打ち説は本物なのか?それとも夜明けは錯覚で二番底が待ち構えているのか?元IMF(国際通貨基金)チーフエコノミストで米国を代表する経済学者のケネス・ロゴフ・ハーバード大学教授に、視界不良の2010年を見通してもらった。 (聞き手/ダイヤモンド・オンライン副編集長 麻生祐司) Kenneth Rogoff(ケネス・ロゴフ) 国際金融学の権威。1999年よりハーバード大学経済学部教授。2001~2003年は国際通貨基金(IMF)のチーフエコノミストを務めた。10代からチェスの名人として世界的に知られ、国際チェス連盟から最高位の称号である国際グランドマスターを授
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