この鎌倉のお宅は、濵さんにとって3軒目の平屋の住まいなのだそう。 1軒目が横浜市内の平屋、2軒目が鎌倉の賃貸の平屋、そしてここが3軒目。 「すべてを見渡せるのが平屋の魅力です」 約築60年の建物のリノベーションは建築家の宮田一彦さんにお願いした。 「鎌倉の物件を探していた時にグーグルマップ上に『宮田一彦アトリエ』という案内が出てきたんです。検索するととても素敵なリノベーションを手掛けてらしたのですぐに連絡致しました。この物件の下見にも一緒に行っていただきました」 約築60年の家は10cmほど傾いていたそうだがジャッキアップして直し、土台の下にコンクリートを流し込んで床下全体に土間を打ち、断熱材をしっかり入れた。底冷えのない暖かく過ごせる家にしてもらったのだそう。 そして、以前のオーナーがリフォームでアルミサッシに替えたほとんどの窓を、木枠のものに交換。 「6連の木枠の窓がオークションに出て
中央線の荻窪駅から歩いて10数分ほどのところに、小林大介さんと菜穂子さんご夫妻が暮らす住まいがある。 元々、高円寺の戸建ての賃貸物件に暮らしていた二人。その頃から中央線沿線に絞って物件を探していたという。 「中央線の気どっていない雰囲気が好きなんです。夫婦そろって戸建で育ってきたので、マンションという選択肢はありませんでした」と大介さん。しかし、なかなか理想の物件と出会うことがなく、探しはじめて3年後、ようやく出会った物件は築約40年のリノベーション済みの住宅だった。 元々の住人であるイギリス人のご夫妻とレトロな趣きが好きという感覚が似ていると感じたご夫妻。「それまでに10軒以上を見ていましたが、内見したときに、実家に帰ったような落ち着きをおぼえました」と振り返る。そして内見当日に、購入を決めたという。 「旗竿地は住んでみたら、周りの目線が気にならないし、明るすぎないので、かえって良かった
数十年後にかっこよく 国産スギの外壁に包まれた、清々しい佇まい。たまプラーザで眼鏡店を営む矢田大輔さんは、それまで住んでいた築50年の家を、昨年秋にリノベーションした。 「妻の祖母の家だったんです。かつてここで営んでいた町工場の名残りのある昭和の家が、全く違う雰囲気に生まれ変わりました」。 経営する眼鏡店「Local」の店舗デザインを担当した「MOBLEY WORKS」の鰤岡力也さんに、この自宅も依頼。 「学生時代からの付き合いでもあり、完全に信頼しているのでほとんどお任せでしたね。リノベーションするからには、鰤岡さん以外には頼みたくない、と思っていました」。 矢田さんが唯一希望したのは、「10年、20年経ってもかっこいい家がいい」というもの。 「“お前が死んだとき、オヤジいい家造ったな、と子どもが言ってくれるような家を造ってやる”。なんて、鰤岡さんは言っていましたね(笑)」。 多摩のスギ
設計コンペをする 東京・町田市の住宅街に建つ岡野邸。約55m2と小規模なこの住宅が建つまでの経緯は少し特異なものだった。設計コンペを開催し、公開プレゼンを経て設計者を選定したのである。 さらに、コンペ時の提案課題には、茶道を楽しめるような空間とグラフィックデザインのディレクターをされている岡野さんの仕事場として使える空間があることなども挙げられていたが、中心となった課題は岡野邸をオフグリッドハウスとすることだった。 オフグリッドハウスとは、電力網から自立して電気を自給できる家のこと。震災以降、それまでのエネルギーのあり方に疑問を抱いた岡野夫妻は、オフグリッドハウスについて、勉強会をしたり見学会に参加するなどして理解を深めていった。そして、蓄電池さえあればオフグリッドハウスは建設可能だと思い至ったという。 「太陽光パネルにプラスして蓄電池があればそこに電気を貯めることができる。電気を貯めてお
倉庫として活用されていたスペースをリニューアルし、ユニークなショップやギャラリーとして生まれ変わった施設を紹介。前編は東神田に位置する「組む 東京」へ。 古くから問屋街として知られる東日本橋。近年は、近隣の馬喰町や浅草橋、蔵前などを含む一帯が「イースト東京」という愛称で親しまれており、若いデザイナーやアーティスト、クラフトの職人などが集まるクリエイティブな街としても注目を集めている。この街が父方の実家だったという小沼訓子さんは、大学で日本美術史を専攻したあと渡英し、キュレーションの仕事に出会う。帰国後、家業である「中川ケミカル」のショールームで、自社商品の展示のほか、素材に焦点をあてた展示のキュレーションも行っていた。2000年頃から徐々に盛り上がりを見せていた東東京に可能性を感じた小沼さんは、祖父が建てた築60年以上の倉庫を日本のものづくりを紹介する場にしたいと一念発起。1年以上かけてリ
私たちの暮らしに欠かせない存在となったコンビニエンスストア。時代が進むにつれ、商品やサービスも多様化している。今回は独自のコンセプトで注目を集める新しいコンビニを紹介。前編は渋谷の「TRUNK(STORE)」へ。 今年5月、渋谷のキャットストリート近くに誕生した「TRUNK(HOTEL)」は日本初の「ソーシャライジングホテル」として国内外で高い注目を集めている施設だ。ソーシャライジングとは等身大の社会貢献を指す言葉で、客室のアメニティや施設内の什器などにリサイクルやアップサイクル商品を採用するほか、障がい者支援団体やLGBT団体と共同で作られているアイテム、地域企業の商品を扱うことで、利用客がおのずと社会貢献ができるという仕組みをとっている。施設内には全15室の客室やイベントスペース、メインダイニングやラウンジ、串焼き屋を有しており、宿泊だけでなく一般客にも利用しやすい環境を整えている。中
100%LiFE を見て依頼 4年半ほど前に、この100%LiFEのサイトにアップされた紹介記事が気に入り、その住宅を設計した若原アトリエに依頼した巻川夫妻。空間の光の質や、シンプルなデザインの中に開口部の格子などこだわってつくり込んだ部分が程よい感じで納まっているところなどに惹かれたという。 自分たちと「感覚が合う」と見込んでの依頼だったため建築家へのリクエストは多くなかったが、こだわったうちのひとつが木の材質で、無垢材を希望。紹介記事の住宅のフローリングにはパイン材が使用されていたが、夫妻はタモ材やナラ材を使ってほしいと伝えたという。 壁とともに、空間に落ち着いた雰囲気をもたらしているフローリングにはナラを採用し、1階リビングに設けられた大きな開口部の枠材とルーバーにはタモ材が使われた。 「窓というよりは置き家具」(若原アトリエ・永峰さん)のような存在感をもつこの枠材・ルーバーは、最初
無印良品の世界旗艦店である有楽町店が7月28日に増床リニューアルを果たした。ここでは初の試みとなる、常設の青果売り場を導入。商品のラインアップやこだわりのサービスについて紹介する。 2001年に開店した「無印良品 有楽町店」は世界最大規模を誇る旗艦店。これまで数回のリニューアルを果たし、本の売り場「MUJI BOOKS」やギャラリー「ATELIRE MUJI」を設置するなど常に新しいことにチャレンジしてきた。今回の増床リニューアルでは1F部分の売り場スペースを拡張し、「無印良品の小屋」の実物モデルの設置と合わせて青果売り場を導入する。 無印良品では、ネット上で産直販売のサイトを設けて生鮮食品の販売を行ったり、有楽町店の広場で週末に青果を中心としたマルシェを開催したりするなど積極的に食にまつわる取り組みを行ってきた。今回、常設の青果売り場を設けたことによって、これまでの取り組みの中で生まれた
コインランドリーとカフェが融合した「フレディ レック・ウォッシュサロン トーキョー」が学芸大学エリアにオープン。コインランドリー、クリーニングの取り次ぎや洗濯代行などを行うほか、オリジナルのコーヒーを提供するカフェを用意し、利用者のコミュニティスペースとして独自のサービスを展開する。 2008年、ドイツ・ベルリンで誕生した「フレディ レック・ウォッシュサロン」はオーナーのフレディ レックさんが“洗濯の時間をもっと楽しんでもらいたい”という思いから立ち上げたユニークなショップだ。従来のコインランドリーのイメージと一線を画す温かみのある空間が特徴で、オリジナルの壁紙に包まれた店内にはアンティークのシャンデリアが灯り、木製のテーブルや棚には洋書やオブジェなどが並ぶ。祖母の家をイメージしたという店にはどこか懐かしい、独特の居心地の良さがある。ここに最新のウォッシュ&ドライマシーンを設置するだけでは
縁側と土間のある家 1941年築。曽祖父が戦時中に建てた家を、曾孫の松本遼太さんが再生させた。遼太さんにとっても、思い出がたくさん残っている家だ。 「古い家の再生を数多く手がけている建築家の宮田一彦さんにリノベーションをお願いすることにしました。残した柱の仕上げの方法や、壁や床の色、壁材にした大谷石など、細かいところまで僕と趣味が合ったので、設計はトントン拍子に進みました」 あまりに好みが近すぎて、松本さんが買った古いフランスの掛時計を、実は宮田さんも狙っていた、という偶然もあったそうだ。 「建具や縁側など、古い家ならではの味が残っているものは、なるべく残すようにしました。廊下だったところを土間にしたくらいで、実は間取りもほとんど変えていません」 天井を抜いて2階の床組を見せている。天井の木材に大工が書いた文字が見える。戦中の息遣いが今に引き継がれる。左側の壁には大谷石を使っている。照明器
昔ながらの個人商店が林立する、庶民的な味わいを残す商店街を抜けて徒歩数分。都内でも人気の住宅地に、鈴木さん夫妻は5年前に家を建てた。「最寄りの駅から徒歩15分以内で、歩くことが楽しいところ」を求め、出会ったのがこの地。子ども好きのお2人は、保育園の隣という立地も気に入っている。「可愛らしいにぎやかな声も楽しく、高い建物が建つ心配もない。園庭を借景として取り入れさせてもらっています」と奥さん。2階のテラスからは、子どもたちが駆け回る姿がよく見える。 家を建てるにあたり建築家への要望は、「“和の家”で暮らしたい」だった。「子どもの頃、実家やその周辺も縁側や畳のある生活だったせいか、日本らしいものが落ち着くんです。木などの自然素材や日本のアンティーク家具にいつのまにか惹かれるようになっていました」とはご主人。奥さんも「吉祥寺や自由が丘の古民家カフェが好きで、小さくてもいいから和室が欲しいと思って
古民家を週末住宅に 豊かな自然に恵まれ、別荘地として人気の葉山。デザイン関係の仕事に携わる小島トモさん・ムーさん夫妻は、5年前からこの地に建つ古民家を週末住宅にして、東京・昭島市の自宅と行き来する暮らしを送っている。 じつは週末住宅の場所として葉山を選んだのは、偶然のことだったという。 「趣味の小舟をオーダーするために初めて葉山に来た時、周辺を散策したら雰囲気がよくてすっかり気に入ってしまって」とトモさん。初めての葉山訪問からわずか1週間後にはこの古民家を見つけ、住むことを決めてしまったのだというから驚きだ。 「以前から古民家に興味があったので、不動産屋さんに古民家を探してもらいました。この家は、元々は網元さんの家だったようですね。その後イギリス人のオーナーが所有して、何人か外国人の方が借りていたと聞きました」(トモさん)。そんな歴史を持つためか、不便な古民家暮らしのイメージとは異なり、外
寒い日々は温かみのあるやさしい香りを纏い、冬の景色に似合う日本の園芸を眺めながらゆっくり過ごしたいもの。今回は、創業3OO年の歴史を誇る老舗「中川政七商店」から冬に合う園芸と香りを特集。植物と工芸の新ブランド「花園樹斎」と日本最古の御香調進所「薫玉堂」の香りをご紹介。 《冬の園芸》 サボテン・多肉植物3号鉢 各3,900(3号鉢 左から窓文・縞文・梅文・鼓文・丸文 φ105 H80mm) 花園樹斎(かえんじゅさい)は、中川政七商店とプラントハンター西畠清順氏が代表を務める、そら植物園のコラボレーションで生まれた新ブランド。150年続く花と植木の卸問屋、花宇の五代目で、数千種類もの植物を国内外から収集していることで知られる西畠氏が見出す植物と、創業300年の老舗中川政七商店がプロデュースする工芸をご紹介。 斑が入った観音竹と盆栽のように小さな矮性種のリトルサムライは、日本の園芸の美意識を象徴
業務用食器後編では、ライン入りのカジュアルなシリーズをピックアップ。伝説的なレストランとして語り継がれているエル・ブリが信頼を寄せるポルバサルのテーブルコレクション、イタリアのスタンダードとして知られるサタルニアから爽やかなブルーのラインの入ったオーバルプレート、アンディ・ウォーホルもコレクターと知られるアメリカの老舗フェイスタ食器のシリアルボウル、アメリカの映画やダイナーなどでよく見るノスタルジックなカップ&ソーサーをご紹介。 《porvasal》 重ねて収納するとラインが際立って美しい。 カップ&ソーサー250 φ159 H77mm ¥2,300 カップ&ソーサー150 φ134 H55mm ¥2,000 カップ&ソーサー80 φ127 H53mm ¥1,600 以上221シリーズ/ポルバサル(ザッカワークス)モカスプーン 各¥700 モデナ/ピカード&ヴィールプッツ(ザッカワークス)
庭のある暮らしがしたい ディンプル建築設計事務所の代表を務める堀泰彰さんと、セールス・キュレーターの仕事をする薫さん。神楽坂の賃貸マンションに暮らしていた夫妻は、そろそろ家を購入しようかと考えた際、中古マンションを購入してリノベーションするつもりだったという。泰彰さんは「コスト面で新築は考えていませんでした。また、建築家という仕事柄リノベーションを手がけることも多いので、自宅もリノベーションで自分たちらしい空間にしたいと思いました」と話す。 そこで中古マンションを何軒か見てみたが、ピンと来るものがなかったという。「購入という視点から改めて見てみると、庭がほしいなと思いました」(泰彰さん)。薫さんも「それまで住んでいたマンションでも、ベランダが広かったので、鉢で植物をたくさん育てていました。せっかく自分たちの家を購入するなら、庭のある暮らしを叶えたくなりました」と振り返る。 そうした希望を不
300坪の土地に建つ中古住宅 東京都町田市。都内とは思えないほど緑豊かな風景の中に、板張りの外壁が目を引く1軒の住宅が建つ。ここに暮らすのは、「MOBLY WORKS」として、店舗の内装デザインや住宅の家具製作などを手がける鰤岡力也さん、菓子職人の妻・和子さん、そして長女のせとちゃん(3歳)の3人家族だ。 子どもがのびのび遊べる場所に家を建てたいと、土地探しをしていた鰤岡さん夫妻。探し始めて4年ほど経った頃にようやく出会ったのが、裏山を含めて300坪という異例の広さのこの土地だった。 「再建築不可の中古住宅付き」という一般的には敬遠される条件だったため、不動産屋さんにはおすすめされなかったというが、「周囲の環境が気に入ったし、建物自体は手を加えればどうにでもできると思ったので」と、鰤岡さん。 建築家の真田大輔さん(すわ製作所)に相談しながら、大規模なリノベーションを実施。内装デザインや素材
屋根裏の内部を確認して購入 今年7月に完成したばかりの鎌倉の近藤洋司さん宅は、 築47年の古い平屋をリノベーションしている。 「いつかは鎌倉の古い家に住みたいと思っていました。できれば平屋で、という条件で探して、見つかったのがここです。きつい坂を登らなければ家にたどり着けないのですが、その分、眺望がよかったので決断しました」 購入する前に、天井の一部を開けて、屋根の内側を見せてもらったそうだ。 「屋根裏を下から見た時の表情が気になったので。立派な梁もあり、ここなら思い描いたような家になるなと思いました。リノベーションは、古い日本家屋を得意とする宮田一彦さんにお願いしました」 床下にはコンクリートを流し込み、新しく建てた壁で強度を持たせ、耐震面にも気を配った。
インダストリアルなインテリアとしても注目を集めているコンテナ。デスク周り、エントランス、キッチンの細々としたものの整理、複数並べれば大きな収納に、またリビングではセンターテーブルになることも。前編ではインダストリアルなデザインを厳選。ドイツ、ALUTEC社のアルミコンテナ、スノーピークのスチール製シェルフコンテナ、メタルフレームが効いたウッドコンテナを紹介する。 《ALUTEC ALUMI CONTAINER with Lid》 蓋付アルミコンテナ <S> W582 D385 H277mm ¥19,000 <M> W592 D385 H409mm ¥23,000 <L> W782 D385 H379mm ¥27,000 以上ALUTEC(P.F.S. PARTS CENTER)
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