谷川 俊太郎 1968年 角川文庫 解説は大岡信さんです。 谷川さんに大岡さん、それに僕の好きな吉野弘さんは 「櫂」っていう同人で一緒のメンバーやってるんですね、へぇー。 いくつかいいなと思ったのだけ引用しておきます。 「62のソネット」の32から 「だが今日まだ私は若さの頭痛に悩まされる 陣痛のようにそれは産みたがる 私は駈け出す 私は浪費せねばならぬ」 同じく「62のソネット」の45から 「昼には青空が嘘をつく 夜がほんとうのことを呟く間私たちは眠つている 朝になるとみんな夢をみたという」 「あなたに」から 「男の敵 Westerna 皮の胴着を伊達に羽織って 四五口径を鳴らしてみるが 空は勿論堕ちてはこない 仕方なく町へ行つて女と 寝る それから 眠つて たつぷり 夢をみる 朝起きてコーヒーを飲んで 豆を食べても 敵は強すぎる ひげ面だけは威勢がいいが 弾帯の下の彼の息子はしょんぼり