・「肢体不自由な人たちの数を減らすことで、障害を持った兵士に年金を支給しなければならない政府の支出を減らせるだろう」と書いたのだ。この最後の主張こそが、時のもう一人の偉大な人道主義者であった英国人看護師、フローレンス・ナイチンゲールがデュナンの計画を即座に拒絶した理由だった。戦争にかかる費用が高くなればなるほど、それだけ早く戦争は終結するというのが彼女の主張だったのだ。 ・そこでは交戦中の派閥の主要目的の一つが、できる限り多くの一般市民を殺戮することであり、生き残ったものを家や土地からたたき出すことにある。 ・人道援助の周囲にはあらゆる産業が生まれ、お金の流れを追うように団体の行列ができ、大金の分け前をできるだけ多く手に入れようと、人道援助活動地を次から次へと移りながらお互いに競い合う。 ・人道主義者たちは赤十字原則をしつこく振りかざし、自分たちの援助が悪用されても、その責任を一切引き受け