抽出されたDNAは、微細な白い粉末。この生命分子を使った化粧品も遠くなさそう=いずれも神戸市中央区港島南町、甲南大ポートアイランドキャンパス(撮影・内田世紀) 日焼けによるしみやそばかすを防ぐため、魚のデオキシリボ核酸(DNA)で紫外線をカットするユニークな化粧品開発が、神戸・ポートアイランドを舞台に産学協同で進行中だ。紫外線を遮る従来の化粧品に含まれる人工の吸収成分に比べ、DNAはヒトにも存在するため、敏感肌にも優しいのが特長。数年後にはDNAコスメが登場する?(武藤邦生) 遺伝子であるDNAは、ほぼすべての生物の細胞内に存在する「生命の設計図」。近年、特定の化学物質の吸着や免疫力向上などの性質が次第に明らかになっており、DNAそのものを素材として活用する研究が国内外で進められている。「ナノバイオ」と呼ばれる、新しい科学分野の発想と手法だ。 甲南大先端生命工学研究所(FIBER=ファイバ