先日、飼料米を利用している畜産農家の講演を聞いて驚いた。いわく、遺伝子組換え小麦が開発されず、トウモロコシやダイズに組み換え技術が利用されているのは、米国人にとって小麦が主食でトウモロコシやダイズは飼料だからだ。そのトウモロコシやダイズを輸入している日本はつまり、米国にとって家畜並みだということ。こんなひどい話はない。だから、飼料を米国に依存せず国産化を目指さなければならないーー。 飼料の国産化を目指すのは私も賛成だけれど、生協やGM反対派の市民団体などに古い情報を吹き込まれて、こんな「恨み」に基づいて張り切るのも、なんだかなあ、と思う。 米モンサントが、遺伝子組換え(GM)小麦の開発に躊躇したのは事実だし、消費者が受容してくれるかどうかを懸念してのことだったと私も思うけれど、それはかなり昔の話。モンサントの動きは目立たないし、GM小麦の商用化はまだだが、ほかの多くの研究機関で開発が進んで