タバコの吸い殻のポイ捨てがなくならない。喫煙者が減っているとはいえ、路上などにポイ捨てされた吸い殻はまだかなり目立つ。タバコ自体、有害物質の塊だが、それが環境中へ放出拡散した場合、どんな影響があるのだろうか。 吸い殻から毒性の強いニコチンが 我々が海岸で見かける吸い殻は、海岸でポイ捨てされたもの以外、そのほとんどは街でポイ捨てされ、下水から河川を通ってやってきた。軽くて小さなタバコの吸い殻は、ポイ捨てされると雨水で流され、風で吹き寄せられるなどして排水溝のスリットから下水へ流れ込む。その後、河川へ流れ、やがて海へいたり沖合で漂流したり海岸へ打ち上げられたりするからだ。 吸い殻には当然だがニコチン、ヒ素、鉛、銅、クロム、カドミウム、発がん性物質を含む多環芳香族炭化水素などの毒性の高い物質が濃縮されている。例えば、ニコチンは殺虫剤に使われるように毒性も強い。ヒトの大人の経口致死量は40〜60m