古くから親しまれてきた「お灸」は今、じわじわと人気を集めています。その理由は、自宅でも簡単に、なおかつ安全にお灸を据えられるようになったから。 鍼灸は今から約2000年前に中国で体系化され、その技術は仏教伝来と共に日本に伝わったと言われています。江戸時代には“お灸ブーム”が起こり、市民のセルフケア方法として普及していたとか。お灸をモチーフとした浮世絵や落語も残されています。 今回は、京都のお灸専門治療サロン「お灸堂」院長の鋤柄誉啓(すきから たかあき)先生に、お灸が“入眠儀式”にぴったりな理由やセルフお灸のやり方、初心者におすすめのツボについて、教えていただきます。 体のスイッチを切り替える、お灸の“温かさ”と“香り” お灸とは、ヨモギの裏側にある綿毛を乾燥させた「もぐさ」と呼ばれる熱源に火を点け、不調を感じる部分やツボがあるポイントなどに据える治療法。 なじみのない人には“熱い”といった