日本で暮らす外国人を支援するNPO法人移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連、東京)は8日、政府が永住許可取り消し制度を創設する方針に対し、外国人にとって最も安定的な在留資格「永住者」が不安定になる上、「一生管理が続き、人道的にも多くの問題点がある」として反対する見解を明らかにした。 共同代表…
政府は、永住権を得た外国人が納税などの公的義務を怠った場合に永住許可を取り消すことができるとする法案を提出する方針を固めた。29日、外国人技能実習に代わる新制度を創設する政府方針案を自民党側に示し、その中で明らかにした。
「LGBT理解増進法の『不当な差別はあってはならない』の文言は意味が通らず、奇妙。差別は全て不当です」と話す清水晶子教授 トランスジェンダーにより女性の安全が脅かされるかのような発言がSNS(交流サイト)を中心に広がり、今国会で成立したLGBTなど性的少数者への理解増進法の議論にも影響を与えた。英書「トランスジェンダー問題」(ショーン・フェイ著・明石書店)によると、こうした主張は海外でも広がっている。脅威をあおる言説にどう対応し、性的少数者の権利を守っていくべきなのか。同書に解説を寄せた清水晶子・東京大大学院総合文化研究科教授に聞いた。 (藤田沙織) ◇ ―トランスジェンダーとはどのような人か。置かれた現状は。 出生時に医学的に割り当てられ、法的に登録された性別と、性自認や生活上の性別が一致しない人たちだ。国内では文化的に芸能など特定の領域でトランスジェンダー的な生き方や性別表現を許容して
■権利の不平等あってはならない 去年の4月、私はこの連載の初回で「差別を罰する以外に、あるいは差別を無視すること以外に、人々の多様性を当たり前にするための条件があるだろうか」と書いた。そこから1年たって、私はこの問いに今の時点での答えを出さなければならない。もちろん、この答えが唯一、あるいは全ての答えではないだろう。けれども一つはある。 私はこの問いを立てた時、マイノリティーとマジョリティーがいて、マイノリティーがマジョリティーの側に入っていく状況がある、と前提していた。多様性を保障するとは、マイノリティーがマジョリティーと同じになることだと思っていた。 今、私はこの前提が間違っていたことに気がつく…
昨年秋、私は多文化家族(カップルのどちらかあるいは両方が移民である家族)を対象としたワークショップに参加した。 その中で、自分自身の持っている特権を可視化するゲームをした。配られた紙の中心に「I(私)」と書かれた円があり、その円が性別、人種、障害の有無、性的指向、性的アイデンティティー、職業、居住地、言語、宗教、世帯構成といった多様な属性で等分されている。ゲームの参加者は、それぞれの属性の中で自分がどの立場にあるかを、色を塗って可視化する。 例えば男性で、いわゆる白人の、健常者で、(体の性別と性自認が一致する)シスジェンダーで、異性愛者で、カップルと未成年の子で構成される世帯のメンバーであり、安定した職業を持ち、都市に住み、居住地の公用語を自在に操ることができて、居住地で広く認められている宗教を信仰していれば、非常に特権的な立場にいることになる。 ゲームの結果を他人に見せる必要はないものの
■社会が妨げる、就労・統合 ヘルシンキ市内では、市やNPO・NGO、教会などが移民を対象にしたいろいろなプログラムを実施している。京都に住んでいた時、私は外国にルーツを持つ女性や子供の支援をするNPOに少しだけかかわっていたことがあったので、そことの違いを知りたくて、参加できる限りはそのような場に足を運ぶようにしている。 移民を対象としたイベントに行くと女性の方が多い。そして、少なくとも首都圏に限っていうと、移民男性だけを対象にした場やイベントを、私はまだ見つけられていない。そのため、私は移民女性というのは、自治体やNPO・NGOが優先的に資源を振り向ける必要のある、支援の必要な人々なのだろうと…
■どの子にも個別の支援教育 今年の春先、下の子の教育に関して保育園で面談があった。就学前教育のあいだ、通常の教員3人+学生1人に加えて特別支援教育のための教員がつくが、私と配偶者はその日になって初めて、下の子はその特別支援教員のサポート対象だと教えられた。確かに下の子は元気がよく、眠っている時と食べている時以外は動き回っていて、声も大きい。子どもとはそういうものだろうと私は思っていた。 それで、私は驚いて「特別支援教育って、うちだけですか?」と質問した。すると先生は少し笑って、「原則として全ての子どもにサポートが必要だから、その意味ではみんなに特別な支援が必要です」と答え、「彼の場合、フィンランド語ができるようになったら、特別な支援は必要なくなるでしょう」とつけ加えた。私はなんとなく…
フィンランドにはさまざまな言語の話者がいる。有名なのはスウェーデン語話者のフィンランド人と呼ばれる人々(「ムーミン」の作者トーベ・ヤンソンもその1人)だが、それ以外にもサーミ語やカレリア語、ロマ語を使う人々がいる。それに加えて、家庭でロシア語、エストニア語、アラビア語、ソマリ語、英語、クルド語、中国語、ペルシャ語といった多様な言語を話す移住者たちがいる。 とはいえ公用語はフィンランド語とスウェーデン語であり、日常的には圧倒的にフィンランド語が話されている。自治体によって多少の違いはあるが、ヘルシンキ市では就学前教育と小中学校で、フィンランド語やスウェーデン語を話さない世帯の児童生徒に対して、第2言語としてのフィンランド語の授業が…
■社会の見えないルール 私と子どもたちは夏と冬の休みには京都に帰省している。帰省中、家で学研の伝記漫画を読んでいた上の子が、その解説ページを示しながら、「ここにはおじいさんが載るって決まってるの?」と私に質問したことがあった。 これまで数冊読んだ伝記漫画の同じ箇所には、どれも「おじいさん」(年配の男性)が解説文を書いていたから、不思議に思ったらしい。そう言われれば、年配の男性が解説者に多いような気もするが、私は上の子に指摘されるまで、それを不思議に思ったことはなかった。 上の子の発言を、子どもの無垢(むく)で純粋な、あるいは曇りのない聡明(そうめい)な視線によるものと言えるかというと、私はあまりそう思わない。私たちは通常、多くの経験を積んだり、他人から学んだり教えられたりする中で、その社会における常識を学ぶ。そうして、特定の状況において「こうなるはず/べきだ」という、論理的な、あるいは倫理
6月27日から7月3日まで、ヘルシンキ市は性的マイノリティーのための人権・文化イベント「プライド・ウイーク」を迎えた。フィンランド国営放送Yleによれば、プライド月間である6月中に講演や展覧会、子ども向けの行事を含め100以上のイベントが開催され、7月1日のプライド・パレードには例年10万人以上が参加している。今年は大統領サウリ・ニーニストの妻イェンニ・ハウキオがこのイベントを後援した。 翻って日本では6月20日、大阪地方裁判所が「パートナーシップ制度が広がり、国民の理解も進んでいて、差別は緩和されつつある」と述べ、同性婚が認められていない現状は日本国憲法に反しないとの判断を示した。それと比較すると、同性カップルが法律婚でき、プライド月間が公人によって後援されるフィンランドでは、多様な性的指向・性的アイデンティティーが広く受け入れられているように見える。 実は、フィンランドでも性的指向・性
Monkeys soaked in a hot spring at Jigokudani Yaen-Koen near the 'Korakukan' = Yamanouchi Town on Jan.the 19th Shinshu in the midwinter. At Jigokudani Onsen in Yamanouchi‐machi, Shimotakai‐gun, you can see the monkey ”Snow Monkey” soaked in the hot spring every day. ”Why don’t they cool the water?” Hideki Soma, a 54‐year‐old office worker from Azumino City, asked a simple question to the Shinano Ma
千曲川の川幅が狭くなる県道「立ケ花橋」(手前)付近。奥は上流側に架かる北陸新幹線「第4千曲川橋りょう」=24日午後3時53分、中野市上今井から撮影 千曲川の川幅が急に狭くなる中野市立ケ花と飯山市戸狩地区にある2カ所の「狭窄(きょうさく)部」について、国が河床を掘削し、洪水時に水を流れやすくする対策を行うことが24日、分かった。国と県、千曲川(信濃川)流域の自治体が検討している5カ年の「緊急治水対策プロジェクト」に盛り込む。流下能力を上げる目的でこの2カ所を掘削するのは初めて。 立ケ花の狭窄部(立ケ花橋付近―古牧橋付近)は、昨年10月の台風19号で甚大な被害をもたらした長野市穂保の堤防決壊地点の5キロほど下流から始まる。千曲川の川幅は、穂保付近で約1050メートルあるが、立ケ花橋付近では約260メートルに狭まる。専門家には、大量の水が立ケ花でせき止められる形になり、上流の穂保での越水、決壊の
満蒙(まんもう)開拓の歴史などを長年研究している伊那市西春近の元教員矢沢静二さん(66)が、1910(明治43)年の日韓併合以降、朝鮮半島で日本人が朝鮮人に行った差別の実態をまとめた文書を同市創造館で見つけた。残飯を食べさせ、無給で長時間働かせた―といった実例を数多く掲載。当時の軍人が日本人に反省を求め、融和への願いを込めて限られた範囲で配った文書で、戦後、全国の市町村役場で戦時機密資料が一斉に焼却処分された中、残った。県外でも見つかっているが数は少なく、研究者は「貴重な資料」としている。 文書は「朝鮮同胞に対する内地人反省資録」と題し、105ページ。33(昭和8)年4月、当時の陸軍少将、岩佐禄郎(後の中将、新潟県出身)が書いたと記されている。岩佐は当時、朝鮮憲兵隊司令部の所属。まとめた目的は「朝鮮人に対する好ましからざる多くの事柄を掲げ、反省を求めるため」だ。言論弾圧、思想統制を進めた軍
松代大本営地下壕の工事を担当した「西松組」の表記がある「移入朝鮮人労務者名簿」(手前右)と、「半島人輸送資料」(同左)の写し。創氏改名した朝鮮人の名前や住所、年齢などが記載されている(画像の一部を加工しています) 太平洋戦争中、松代大本営地下壕(長野市)など県内各地で労働に従事した朝鮮人の名簿が存在することが21日、分かった。戦時動員などで同地下壕建設に携わった朝鮮人が大半を占める2600人余の名前や住所、年齢などが記載されている。同地下壕建設の関係でこれほどまとまった人数の朝鮮人名簿が見つかったのは初めて。専門家は、名簿を基に本人や遺族をたどるなど調査を進めることで、当時の労働実態を明らかにできる可能性があるとみている。 国学院大(東京)の上山和雄名誉教授(71)=日本近現代史=が1990年代初頭に米国議会図書館で発見し、写しを取って保管していた。 名簿の多くは「帰鮮関係編纂(さん)」と
長野市内の60代女性が近所の60代の男から1年余にわたって差別発言を受け、市や長野地方法務局に相談したものの解決せず、昨年12月に男に暴行される事態に至っていたことが19日、女性や市などへの取材で分かった。男は暴行の疑いで逮捕され、暴行罪で起訴された。女性は、同法務局には差別発言への対応を拒否されたと説明。これに対し、同法務局人権擁護課は取材に「守秘義務があり、相談があったかどうかも含め答えられない」としている。 一方、長野市人権・男女共同参画課は男と数回面談したが、「男が発言を認めず、やめさせるのは難しかった」と説明。「結果的に(暴行)事件が起きており、対応について再検討したい」とし、相談への対応が適切だったかどうか調べる方針だ。 女性によると、男は2011年から女性宅を投光器で照らすなどの嫌がらせを始め、14年8月からは、昼夜を問わずに大声で差別発言をするようになった。男が行ったか
上伊那郡南箕輪村田畑地区で16日深夜から17日朝にかけ、地区役員宅を封鎖し、盆休みの1日延長を求める伝統行事「盆正月」があった。田畑区長の加藤一夫さん(67)は午前5時40分ごろ、自宅の窓から庭に出て、玄関前に並べられたジャンボカボチャや鉢植えを見て「えらいことだ。片付けに半日はかかるな」と苦笑い。ほかの役員に電話し、休みの延長を各戸に連絡するよう頼んだ。 小学校PTAなどでつくる「田畑の伝統行事を守る会」を中心に、小学生や消防団員計約25人が作業に参加。役員宅4軒と地区公民館に野菜や木材、農機具などを積み上げ、鏡餅としめ縄を飾った。 会長の酒井文代さん(46)は地面に石灰で「お正月」と大書し、「どう封鎖しようか1年間計画してきたかいがあった」。初めて参加した南箕輪小6年の日戸達也君(11)は「どうやって玄関から出られなくするか考えるのが面白かった」と話した。 加藤さん宅はオートバイ
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