全国のバス事業者が慢性的な運転手不足にあえいでいる。低賃金で激務といった否定的なイメージの影響で若者が集まらず、各事業者とも運転手の主力は50代以上のシニア世代だ。運転手不足を理由とした路線廃止も相次いでおり、各事業者は早期正社員化や福利厚生の充実など、未経験者も対象にあの手この手で若者採用策に力を入れる。(林信登) ■電鉄系大手も苦心 春採用を控え就職活動が本格化していた昨年12月、大阪市内でバス運転手に特化した合同企業説明会「バスギアエキスポ」が開かれた。近畿から九州までの19社が「未経験者OK」などをうたい、福利厚生の充実を訴えた。ところが、来場者百数十人の中に20代や30代の姿はほとんどなく、主な年齢層は転職希望組の40~50代。京都市から参加した30代男性は「未経験だが、運転手は給料が安くて激務と聞く」と不安を口にした。 説明会を主催した企業担当者は「学生に人気の電鉄系大手企業で