ドイツ鉄道が新たに導入する特急列車に「アンネ・フランク」と名付けようとしたところ、無神経だとの批判が上がり、再考を迫られている。「アンネの日記」で知られるアンネ・フランクはナチス時代、鉄道で強制収容所に送られ、15歳で病死した。悲惨な過去を彷彿(ほうふつ)させるとして、関連団体が抗議の声明を出した。 ドイツ鉄道は今年12月から順次、新型車両「ICE4」を運行させるにあたり、利用客らから名前を募った。25本の列車につける人物名25人のリストを10月下旬に発表したが、アインシュタインやベートーベンなどに並び、アンネの名前が含まれていた。 これに対し、アンネの記憶保存に取り組むアンネ・フランク財団が「アンネと鉄道を関係づけることは、ユダヤ人の迫害と抑留を思い起こさせ、抑留の経験者を苦しめる」などと反発。事実上、候補から外すように求めた。 ドイツ鉄道は「アンネの記憶を維持しようという歴史的な責任か