前置き 私の中にペットに対する釈然としない気持ちがある。ここで言うペットとは通常「ペット」という言葉で想像されるだろう、人間に飼われている人間でない動物(例えば犬、猫)を想定している。私のもつその気持ちがどういうものか、それを上手く表現できないからこそ「釈然としない」と書いたのだが、ともかく他人からペットにまつわるエピソードを聞き、他人のペットとの関わりを目にするとき、私の胸にしばしば芽生えるネガティブな感情がある。それらの感情を抱く理由は――無論断定できる類のものではないが――恐らく私のペットに対する考えが由来となっている。 しかしそれらの考えは非常に表層的で熟慮されたものではない。反論を自ら思いつくものさえある。これまで折に触れてそれらを検討し自分にとっての結論を出そうと試みてきたのだが、考えるのが下手なせいか、その表層を撫でまわすばかりで一向に考えは深まらなかった。 そこで一旦曖昧な