信じてもらえないとは思うが、私は過去へとタイムリープした。 先方との約束により、その方法は明らかにできない。しかし、その方法がどんなものであったかなど、この場ではどうでもよい。 むしろ私は、タイムリープが本当に実行できたにもかかわらず、人生は結局やり直すことができなかったという事実を、強い驚きと「ある期待」を持って伝えたいのだ。 物語のように、タイムリープで人生を綺麗にやり直すには、ある種の「快適さ」を打ち捨てるだけの強い意志が必要であり、タイムリープが実行できた幸運だけでは人生をやり直すには不十分だと身を以て知ったのだ。 私の場合、入試や恋愛、大きな事件事故など、「現在」までの人生に強い後悔を残すイベントは無かった。 それでも、タイムリープの誘いに乗ったのは、既に結果を知る過去を再度歩めるのなら、そこに現れる選択肢はより良いものが選べるはずだと考えたからだった。 大多数の人間がそう考える