同業の人が学会に集まろうとしている季節に、「いま、精神分析に意味があるとしたらそれは何か」などというお題をネットのopenな領域に投げるのは蛮勇すぎるのですが、ある集まりで「今、精神分析に意味はあるの?」という問いをいただき、持ち時間100分ぐらいで今の自分が何を思いつくのか書いてみたくなったので、えいっ! と随筆してみる。 なお、これは私に問いを与えてくれた人に応えるという体裁でやっていることだとエクスキューズさせてください。各方面の精神分析に造詣のある人は、ある程度これに同意してくださるかもしれないけれども、全面的に同意してくださるとは思えない。また、私がなんやかや言っても(精神医療の実地において)標準的治療と治療ガイドラインと精神行動科学的な研究をリスペクトしていることにも引っ張られている部分があると思う。そのあたりを気にしない人が読んでくれると想像しながら、以下を記す。 本題に入る