フィンランドが世界初のベーシックインカム導入を検討している。全国民に月800ユーロ(11万円)を支給するという。フィンランド・ヘルシンキの街並み(資料写真) 北欧フィンランドが「ベーシックインカム」の導入を検討していると報道されたことで、国内でも再び関心が高まっている。この制度については賛否両論あるが、論点が十分に定まっているとはいえない。 ベーシックインカムに関する議論は、社会保障の分野だけにとどまるものではなく、労働市場のあり方や市場メカニズムの是非など、幅広い分野と関連している。逆に考えれば、ベーシックインカムについて議論するということは「どのような社会システムを望むのか」について議論することと同じである。 実際の導入は、財源という大きな問題があり、そう容易なことではない。だが、導入の是非について議論することの意義は大きいだろう。 以下では、ベーシックインカムについて論点を整理すると