米宇宙企業が1万2000基の人工衛星からなる巨大な通信衛星網を計画している。 このほど一部が打ち上げられたが、天文台の観測画像に写り込んでおり、天文学者の国際団体や日本の国立天文台が「きれいな夜空」が乱されると懸念を示す事態になっている。 宇宙ごみ接近警告、5年で4倍=不審衛星観測も3割増-米軍、日本との協力拡大期待 米スペースX社は巨大衛星網「スターリンク」を計画し、5月に第1弾となる60基を打ち上げた。低軌道を周回し、遠隔地でもインターネットに接続できるようになる。 衛星は打ち上げ直後、超新星を観測中だった米ローウェル天文台の望遠鏡の視界を横切った。撮影された画像には、白い光の筋が斜めにいくつも横切っている。 衛星の金属部分や発電用の太陽電池パネルは光を反射しやすい。国立天文台の大石雅寿特任教授は「肉眼で確認できる程度の明るさだが、天文台の望遠鏡では明る過ぎて観測の邪魔になる」と指摘。