過激派組織「イスラム国」(IS)の勢力拡大が止まらない。イラク、シリア両国の支配地域をほぼ維持し、中東や北アフリカなどでは影響下にある組織によるテロが相次ぐ。米軍がイラク領内で対IS空爆を開始して8日で1年。計6千回以上の空爆でも弱体化に至らず、掃討作戦は長期戦を強いられている。 米軍主導の有志連合は昨年9月、シリア領内でも対IS空爆に踏み切った。米中央軍は7日、IS掃討について「有志連合が主導権を握っており、ISは形勢不利」と説明した。 だがAP通信によると、米情報機関はIS戦闘員の規模を2万~3万人と推計し、空爆開始前から実質的に減っていない。ISは戦闘員を次々補充し、情報機関関係者は「戦略的な手詰まりの状態にある」と指摘する。 戦闘員の多くは、ISが解釈するイスラム教に基づく「国家樹立」に共鳴した中東や欧州の若者。中東では民主化運動「アラブの春」で独裁政権が崩壊した後、政治の混迷で経