極端な天候や海面上昇などを招く地球温暖化で、野生動物のウイルスが種を超えて広がるリスクが高まっている。気候変動や土地開発ですみかを追われた野生動物の生息域が重なり、未知のウイルスが人類まで到達しうるという。自然界は新たなウイルスの貯蔵庫だ。気温上昇が「パンドラの箱」を開けてしまうのか。米ジョージタウン大学などのチームは、21世紀末時点の気温上昇が産業革命前に比べ約2度になる楽観的なシナリオでウ
シジュウカラという小型の鳥に言葉があることを、世界で初めて証明した。実はこれまで猿などの霊長類も含めて、人間以外に言葉の存在が証明された例はない。軽井沢の森で1年の半分以上を過ごし粘り強く観察を続けた僕の論文は、たちまち世界の注目を集めた。きっかけは生物学を専攻していた大学時代。シジュウカラが明らかに他の鳥より鳴き声の種類が多いと気づいた。しかも状況に応じて使い分けている。動物学や言語学で人間
世界で初めてブラックホールの輪郭を撮影したとされる観測データについて、国立天文台の研究者などが改めて解析したところ、輪郭となるリング状の構造は確認できなかったと異論を唱える結果を公表し、今後、学問的な議論になる可能性があります。 ブラックホールの画像は、日本を含む国際研究グループが世界6か所の電波望遠鏡を結んでおよそ5500万光年離れたブラックホールがあるとされる位置を撮影し、3年前、世界で初めて輪郭であるリング状の構造が撮影できたと発表して大きな話題になりました。 この国際研究グループとは別の国立天文台の三好真助教などが、6月30日、オンラインで記者会見を開き、同じデータを改めて解析したところ、リング状の構造は確認できなかったと発表しました。 三好助教は「より正しい解析方法を使った結果だ」と異論を唱えていて、専門の学術誌に掲載されるということです。 一方、ブラックホールのリング状の構造を
中央大学や東京工業大学、大阪大学などの研究チームは配管などに貼り付けるだけで中を流れる液体の性質を調べられるセンサーを開発した。液体が発する赤外線などの光を検出することで、溶けている物質が何であるかや濃度、温度などを調べられる。家庭や工場などの排水検査の省力化につながるほか、化学製品の品質検査、動植物の状態分析などにも応用できる。家庭や工場から出る排水はどんな物質がどれくらい溶けているかを調べ
大阪大学の古賀大尚准教授らは、木材由来の素材「セルロースナノファイバー(CNF)」から半導体を作ることに成功した。高温で加熱して電気が通るように改良した。スマートフォンやパソコンの心臓部である電子回路を、自然界で分解される素材で作製する手法につながる。発展途上国などで環境問題になっている、銅や鉛を含む廃棄物を減らせる可能性がある。5~10年後の実用化を目指す。東京大学や九州大学、岡山大学との共
京都府や紀伊半島に生息するサンショウウオが新種であることがDNAの分析でわかったと国立科学博物館などが発表し、この10年間におよそ30種が新たに報告されるなど新種の発見が相次いでいます。 発見されたサンショウウオの新種は、「ホムラハコネサンショウウオ」と名付けられ、体長15センチほどで背中の赤色のもように特徴があり、京都府から石川県にかけた地域と、紀伊半島の標高の高い山間部の2つの地域に生息しています。 国立科学博物館の吉川夏彦研究員などのグループはDNAや形態の分析から新種であることを明らかにしました。 「ホムラハコネサンショウウオ」は、およそ40万年前には近畿地方を中心に広く分布していたものの、現在は生息に適した比較的、涼しい気候の地域でだけ、見られるということです。 国内の小型のサンショウウオはDNAの分析などから、この10年間におよそ30種が新たに報告されるなど、日本各地で新種の発
体が動かなくなる難病、パーキンソン病は、脳に異常なたんぱく質がたまることが原因とされていますが、大阪大学などのグループは、これとは別の物質が原因とみられる新しいタイプのパーキンソン病を見つけたと発表しました。 この研究は大阪大学大学院医学系研究科の別宮豪一特任講師などのグループが行いました。 パーキンソン病は手足が震えたり、体が動かなくなったりする難病で、脳の一部に「αシヌクレイン」という異常なたんぱく質がたまることが原因とされています。 グループでは、パーキンソン病と診断された1人の患者から死後に脳の提供を受け、詳しく調べたところ、「αシヌクレイン」ではなく、「TDPー43」と呼ばれる別のたんぱく質がたまっていることが分かったということです。 「TDPー43」はほかの神経難病との関連は指摘されていましたが、パーキンソン病を引き起こすことは知られておらず、グループでは新たなタイプのパーキン
若手の女性研究者を後押ししようと、女性として初めてノーベル賞を受賞したマリー・キュリーにちなんだ新しい賞が設けられ、活躍が期待される日本の女性研究者を集めて初めての授賞式が行われました。 日本の科学技術政策を実行する科学技術振興機構は若手の女性研究者を応援する新しい賞を設け、女性として初めてノーベル賞を受賞したポーランド出身のマリー・キュリーにちなんで通称「マリー・キュリー賞」として、ポーランド大使館とともに授賞式を開きました。 最優秀賞には、数学を研究している京都大学助教の山下真由子さん(26)が選ばれ、賞状などが手渡されました。山下さんは東京大学で数学を専攻して23歳で京都大学の助教になり、素粒子物理学に応用できる数学の研究ですでに高い業績を挙げているということです。 このほか奨励賞や特別賞として宇宙物理学が専門で理化学研究所の木邑真理子さん、感染症疫学が専門でアメリカにあるエモリー大
1980年から2000年までに比べて2001年から2020年までは、 ▽日本やフィリピン周辺の「北西太平洋」で13.8%減り、 ▽オーストラリア周辺などの「南半球」で15.9%減った一方、 ▽アメリカの東海岸周辺の「北大西洋」では33.6%増えていました。 地域ごとの差を調べるため、過去およそ40年間、大気や海洋の変化に加えて、工場などから排出される大気汚染物質の状況も考慮してシミュレーションしたところ「北西太平洋」および「南半球」での台風など熱帯低気圧の減少と「北大西洋」での増加には大気汚染物質の増減が関わっていたことが確認できたとしています。 大気汚染物質などの小さな粒子「エアロゾル」には日射を遮る「日傘」のような効果があるため、中国やインドなどで大気汚染物質が増えたことで周辺の陸地は海に比べて暖まりにくくなり、台風や熱帯低気圧の発生に必要な西からの風が抑えられたとしています。 また、
北海道で20年以上前に発見されていた恐竜の化石が、指先の骨の特徴などから新種であることがわかったと北海道大学などの研究グループが発表しました。 新種の恐竜について発表したのは、北海道大学総合博物館の小林快次教授などの研究グループです。 研究グループは、22年前の平成12年に北海道北部の中川町で地元の化石愛好家が見つけた恐竜の化石について詳しい解析を進めていました。 その結果、指先の骨の形状の特徴などから、およそ8300万年前の白亜紀後期に、海岸に生息していたテリジノサウルス類の仲間の新種と認定されました。 研究グループは、この新種の学名を、ギリシャ語で、日本の海岸に住むテリジノサウルスという意味の「パラリテリジノサウルス・ジャポニクス」と名付けました。 小林教授は、「日本で新しい恐竜の名前がついてうれしい。将来もっと多くの恐竜が日本で見つかる可能性があり、恐竜の研究も深まることが期待できる
満天の星はどのように生まれたのか。私たちの地球はなぜここにあるのか。138億年の歴史をもつ宇宙の謎を解き明かそうと、天文学者は最初にできた「一番星」の光を追い求めてきた。光からは星の大きさや距離がわかり、産声を上げたばかりの姿を知る手掛かりになる。最近、宇宙が誕生して数億年後とみられる太古の星や銀河の光をとらえることに成功し、一番星に迫る発見として注目を集めている。宇宙が誕生して間もないころは
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