斬新なコロッケを生みだすシェフがいた! メシ通レポーターの放送作家、吉村智樹です。 チーズが余熱で溶けますから、揚げたてじゃなく、しばらく経ってから食べてみてください。お客さんにはいつも「会話がひと花咲いてから食べてください」と言ってるんです。 オーナーシェフの藤本さんは、そうアドバイスをくれました。 おっしゃる通りに待つこと数分。コロッケを割ってみると……。 どろぉぉぉん。 熱を帯びてあかね色に輝きながらどろりと溶けたチーズが、コロッケの中核からマグマのようにあふれ出てきました。メルティチーズとコロッケの神々しいまでの供宴は、天地創造と呼んで大げさではない迫力があります。これはもう、食べる神話。 小判型に圧され、いまではすっかり少数派になってしまった「俵型」のコロッケ。この昔ながらの俵型スタイルを貫きつつ「斬新なコロッケを続々と生みだしているシェフがいる」と聞き、会いに行ってきました。