滋賀県で「痴漢等多発警報」が発令されたのは9月8日のこと。気象庁が出す大雨洪水警報でも暴風警報でもない。痴漢―。痴漢に注意せよという警報だ。 えっ、そんな警報、聞いたことないって? それも当然。滋賀県警の生活安全部の担当者が言う。 「このような警報がほかの県で発令されたという話は聞いたことがありません、おそらく全国で初めての警報だと思います」 いったい、どんな経緯で日本初の痴漢等多発警報が生まれた? 「今年1月、『滋賀県子ども、女性、高齢者等を守る犯罪多発警報等発令制度』というものが設けられました。これは子供、女性、高齢者を守る上で、特定の犯罪が多発して県民が著しい不安を感じる恐れがあるとき、県知事が警報を発令し、住民に注意を喚起するというもので、『痴漢等多発警報』もそのひとつです。発令期間は10日間。犯罪が減らない場合はさらに10日間、延長できます」(生活安全部・担当者) 確かに、滋賀県