沖縄県・尖閣諸島付近で海上保安庁巡視船と中国トロール漁船が衝突した事件で、日本政府は中国側の軟化を期待し、中国人船員の帰国を認めた。民主党代表選(14日投開票)を控える菅直人首相らが軟着陸を模索しているためだ。だが中国側は足元を見るかのように態度を硬化させている。 「しつこいな」 仙谷由人官房長官は中国の戴(たい)秉(へい)国(こく)国務委員(副首相級)が12日午前0時(日本時間同1時)に丹羽宇一郎駐中国大使を呼び出したことについて、苛立ちをあらわにした。中国側は7日に衝突事件が発生してから、何度も丹羽氏に抗議したうえ、戴(たい)氏まで乗り出してきたからだ。 外務省幹部は「中国側から丹羽氏が抗議を受けたことばかり報じられているがおかしなことだ。丹羽氏は自ら2回出向き、抗議している」と強調する。 もっとも程永華駐日中国大使は8日に外務省を訪れたが、日本側は公表しなかった。武正公一外務副大臣は