流通しない規格外のキャベツが救世主に――。海藻を食い荒らす海の厄介者として駆除されるムラサキウニを、地元特産のキャベツで養殖して特産化するプロジェクトが進んでいる。神奈川県水産技術センター(三浦市)が甘味のある良質なウニに変身させることに成功した。出荷できない規格外品が使え、地元農家にとっても朗報だ。 甘味も うま味も 同県の三浦半島西岸では10年前から海藻が減る「磯焼け」で、サザエやアワビが減るなどの問題が発生していた。一因として挙げられたのがムラサキウニの大量繁殖。同センターでは「地球温暖化による海水温の上昇で、冬場も海水温が下がらず、ムラサキウニが生息しやすい環境になったため」とみる。 食用ウニはバフンウニが主流。天然のムラサキウニは身の部分である生殖巣が育たないことから食べられず、「漁獲対象でなく、駆除するしかなかった」(同センター)。 「生態系に悪影響を与えるムラサキウニを何とか