鳥取県三朝(みささ)町で今年4月、原生林地を「中国の会社が買収した」という情報が駆けめぐった。 対象地は三朝温泉郷から車で10分ほどで、立地条件は良好だ。森へ分け入ると、高さ2メートルほどの滝がザーザーと音を鳴らし、豊富な水があることがうかがえる。 地元関係者によると、この林地の所有者は、鳥取市内の不動産業者。1年ほど前から売りに出されたが、買い手がつかなかった。業者は今年、中国人と組んで上海に事務所を設立、販路を中国へ拡大しようとしているという。 業者は売買情報を否定しつつ、憤慨(ふんがい)した。「私どもがどこで何を売ろうが、批判される筋合いはない。県や国の許認可を受けて開発することだ。うわさが一人歩きして困るが、たとえ中国人が買ったとして、何が悪いのか」 だが、地元周辺は過敏になっている。三朝町で森林の自然保護に携わる団体の代表は「大事な水源地であり、中国人が買うことで、どういう影響が
ぬかるんだ土を踏みしめ、森の奥深くまで登る。やがて木々が開け、眼下に沢が望める所まで来ると、案内してくれた役場の職員が、遠くの山に目をやり声を上げた。「あそこですよ。中国人があの山の木をほしいというのですが、木を運ぶにも道がない。豊富な地下水が目当てとしか考えられないのです」 1千メートル級の峰が連なる三重県大台町の山地。伊勢湾に注ぐ宮川の源流を有する“水の聖地”だ。その水は「森の番人」と名付けられ、名古屋や大阪で市販されている。日本最多雨地域にも近く、森に点在する池は、モリアオガエルの繁殖地にもなっている山紫水明の地だ。 「中国人が山を買収する」という情報が流れたのは2年半前。対象地の面積は、登記簿上は250ヘクタールだが、地積が不明確で、実際の面積は甲子園球場260個分の1千ヘクタールともいわれる。そもそもこの山を見ることすら、地元の人の案内なくしてはたどり着けないような山深い場所にあ
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