オーストラリア・シドニー(Sydney)沖に現れたクジラ(2008年6月25日撮影、資料写真)。(c)AFP/Greg WOOD 【4月25日 AFP】オーストラリア環境省南極部の研究チームは、気候変動との闘いのなかで意外な要素を発見した。クジラの排泄物だ。 クジラの排泄物の大部分は餌のオキアミからできたものだが、海洋植物にとって優れた肥料であることが分かったという。科学者のスティーブ・ニコル(Steve Nicol)氏は「オキアミは鉄分を豊富に含んでいる。クジラが排泄すると鉄分が海に還り、海水中の栄養分が増えて新たな食物連鎖が始まる」と説明する。 この研究はクジラの数が増えると海中の植物が増え、その結果として海洋の二酸化炭素吸収量が増えることを示唆している。鉄分は藻などの海洋植物にとって不可欠の栄養素だが、南極海ではその濃度は低い。 オーストラリアの南極気候・生態系共同研究センター(An