虹色の鋏角(きょうかく)を見せるハエトリグモの一種(Phidippus regius)。(PHOTOGRAPH BY EMANUELE BIGGI, NATURE PICTURE LIBRARY) マダニはシカにかみつく際、厚い毛皮を突き破らなければならない。ハキリアリは、頑丈な熱帯植物の葉をいとも簡単に切り裂く。サソリは尾を使って、自分より何倍も大きい獲物に毒を注入する。(参考記事:「自ら毒の体験も、生物毒に魅せられた科学者たち、新薬開発目指し」) 米オレゴン大学の物理学者ロバート・スコフィールド氏は、こうした驚異的な生物たちに魅了されてきた。小さな彼らは、どうやってそのような桁外れの力を発揮しているのだろうか? 9月1日付けで学術誌「Scientific Reports」に掲載された氏らの論文によると、その答えは、彼らがもつ“武器”や“道具”の原子レベルの構造にあるという。 一部の無脊