藤野 企業会計の償却方法と接続料金の決め方は、本来まったく次元の違う話だ。NTTが会計基準を変えるのはもちろん自由だ。確かに原価算入において償却をどう計算するかで原価が変わるのも事実。しかし、企業会計を変えるからといって、原価計算の方法を変える必然性はない。しかも、その結果、接続料金が激変するのはいかがなものだろうか。 NTT東西が所有する設備は、ボトルネック設備である。そのボトルネック設備の料金が恣意的に変えられるというのは、競合事業者の事業安定性に与える影響が非常に大きくなる。我々は、コストを投じリスクを背負って独自に設備を設置し、設備競争を実現している。そこへの配慮もなく、「単に安ければいい」という議論にはしてほしくない。原価に照らして適性であるのか、あるいはどこかにつけを回さずに公平であるのかが最も重要なことだ。 そのうえで、事業の安定性を考慮してほしい。本来、適性に原価を織り込ん